足の裏の皮がむける、かゆい...「水虫」の症状と治し方、予防法を詳しく教えます!

mainichi_bnr03.jpg足の裏の皮がむける、足の指の間がかゆい、水ぶくれができる...これらはすべて水虫の症状です。日本人の5人に1人が水虫に感染しているといわれています。水虫の原因は「白癬菌(はくせんきん)」というカビ(真菌・しんきん)です。白癬菌による感染症を「白癬」といい、実はこのカビ、足だけでなく手や頭など体のいろいろなところに棲みつくことができるのです。

水虫の性質や特徴、治療法や予防法を、白癬治療の第一人者、仲皮フ科クリニック院長の仲 弥先生に伺いました。

目次

1:水虫って何?水虫になる原因とは?

2:水虫の症状は?水虫にはどんな種類があるの?

3:爪の水虫「爪白癬」って何?爪白癬の治療法は

4:水虫の治療法は?どんな薬があるの?

5:水虫を予防するには?うつらないために何ができる?

6:水虫に似た病気とは?ニセ水虫って何?

 

 

1:水虫って何?水虫になる原因とは?

水虫の正体はカビ!? 水虫の原因菌は「白癬菌」です

水虫は、「白癬菌(はくせんきん)」というカビによって引き起こされる皮膚疾患。白癬菌は、皮膚の角質層を構成するケラチンというたんぱく質を好み、酵素で分解しながらゆっくりと皮膚を侵食します。水虫の特徴的な症状である強いかゆみは、皮膚を侵食する白癬菌を追い出そうとする免疫反応の一つです。白癬菌は40種類以上存在しますが、日本ではそのうち約10種類が水虫の原因菌となります。高温多湿の環境で繁殖しやすいため、裸足で草履を履いていた時代にはあまりなく、靴を履くようになってから広まったと考えられています。

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2:水虫の症状は?水虫にはどんな種類があるの?

水虫を起こす白癬菌は、足だけでなく体全体に感染します

水虫は、一般的に「白癬菌」に感染した足のことを指し、「足白癬」と呼ばれます。しかし白癬菌は、足に限らず、湿度が高くて栄養源の「ケラチン」が存在する条件が揃えば、体のどの部分にでも棲みつくことができます。主なものに、手のひらや指に生じる「手白癬」、爪に感染する「爪白癬」、頭部の毛穴や皮膚に感染する「頭部白癬」、顔や腕など体の様々な部位に感染する「体部白癬」、股に感染する「股部白癬」があります。それぞれ症状が異なり、治療には抗真菌の外用薬または内服薬が用いられます。

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足の裏の皮膚がむける...水虫かも!? 水虫の3つのタイプ

足に白癬菌が感染して起こる水虫には、3つのタイプがあります。一つ目は、足の指の間に症状が出る「趾間型」。皮がむけたり、赤くなったり白くふやけたりします。放置するとただれ、強いかゆみを伴います。二つ目は、足の裏(特に土踏まずや指の付け根近く)に小さな赤い水疱ができる「小水疱型」。三つ目は、かゆくないのが特徴の「角質増殖型」。白癬菌に感染してから年月がたち、慢性化したタイプです。足の裏全体が厚く硬くなってひびわれたりしますが、かゆみがないため、水虫と気づかない人もいます。趾間型や小水疱型は1ヵ月ほどで完治できますが、角質増殖型になると、治療に時間がかかります。早い段階で治療を始めましょう。

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そのかゆみや水疱の原因は? 水虫と他の病気を見分ける目安

水虫が疑われる症状には、いくつか特徴があります。まず、足の薬指と小指の間がかゆいときは要注意。足の指の間にできる「趾間型」の水虫の典型的な症状です。また、片方の足や手にだけかゆみや水ぶくれなどの症状が出る場合も、水虫の確率が高いといえます。一方、指の伸側(関節が折れ曲がる方と反対側)や足の甲が赤くなったりかぶれたりしている場合は、水虫ではなく細菌感染など別の病気が考えられます。ただし、自己診断は禁物。かゆみや水ぶくれ、足の裏の皮がむけるといった、水虫と似た症状が現れる病気は多く、なかには水虫用の薬を塗ると症状が悪化する場合も。皮膚科を受診して白癬菌の有無を確認し、適切な治療を受けることが大切です。

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3:爪の水虫「爪白癬」って何?爪白癬の治療法は

気づかず放置してボロボロに...足より怖い「爪水虫」

爪に白癬菌がうつると「爪白癬」、いわゆる爪水虫になります。主に、足の水虫をきちんと治療しなかったために、白癬菌が足の爪に感染することで起こります。 爪水虫は、爪の先端から根元へと徐々に広がり、爪の一部が白や茶色に変色し、厚くなります。進行すると爪全体がもろくなって、はがれることも。かゆみがないため、気づかずに何年も放置してしまい、足にうつって水虫が再発したり、家族にうつす恐れもあります。 治療には主に内服薬が用いられますが、根元まで白癬菌におかされている場合、新しい爪が生え替わって病巣が取り除かれるまでには1年以上かかることも。根気よく治療に取り組みましょう。

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初期限定! 軽い爪水虫なら外用薬でも治療できます

足の白癬菌が、爪に感染することで起こる「爪水虫(爪白癬)」。爪は外用薬が浸透しにくいため内服薬(経口抗真菌薬)での治療が主流ですが、治療期間が長いうえ、肝機能障害などの副作用や、併用を禁止されている薬が多いという問題点があります。そこで注目されているのが、「エフィナコナゾール(商品名クレナフィン)」や「ルリコナゾール(商品名ルコナック)」といった、爪水虫専用の外用薬。1日1回、爪全体に塗る治療を、約1年間続けます。ただし、爪水虫は進行するほど爪が厚くなって薬が浸透しづらくなるため、外用薬は初期症状の患者さんに限って効果が期待できます。

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4:水虫の治療法は?どんな薬があるの?

水虫の診断に欠かせないものは、「顕微鏡」と「経験」

水虫は、病変部に白癬菌がいることを確認して初めて確定診断を下すことができます。診断には、ピンセットなどで病変部の角質をはがし取り、顕微鏡で観察して白癬菌の有無を調べます。白癬菌が棲みつきやすい場所を見極めて検体を取ったり、白癬菌と他の菌とを見分けるには、十分な経験も必要です。目視だけで診断するような医師はもちろん信用できませんし、1人で複数の診察科を標榜しているクリニックなら、専門が皮膚科かどうかに注意しましょう。日本皮膚科学会のホームページでは「日本皮膚科学会認定専門医」を調べることができます。信用できる医師と病院を見つけることが、水虫の治療には欠かせないのです。

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水虫治療の外用薬は、医療用も市販薬も優秀です

水虫は治りにくいというイメージがあるようですが、きちんと治療すれば、ほとんどの水虫は治ります。特に、水虫(足白癬)のなかでも「趾間型」と「小水疱型」の治療に用いられる外用抗真菌薬は、良い薬がたくさん出ています。ルリコナゾール(商品名ルリコン)やラノコナゾール(商品名アスタット)などがあり、軟膏やクリームなどタイプもさまざま。1日1回正しく塗り続ければ、約4週間で患者の約80%から白癬菌が見つからなくなります。市販薬も、医療用と効果がほとんど変わらないほど優秀。ただし、市販薬にはかゆみや炎症を抑える成分が入っていて、成分が増える分だけ副作用のリスクも高まるので、肌に合わないことがあります。

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水虫は1カ月で治る! 正しく塗り薬を使う8つのポイント

水虫が治らないと悩む人は、薬を効果的に使えていないことが多いもの。以下の8つのポイントを守って、塗り薬を正しく使えば、「趾間型」や「小水疱型」の水虫は1カ月で完治します。
1. 少量をすりのばし、べたつきが残らない程度に塗る。
2. 優しく塗る。
3. 1日1回必ず塗る。
4. 薬が浸透しやすいお風呂上がりがおすすめ。
5. 患部より広めに塗る。
6. 週1回、反対側の足にも塗って感染予防。
7. 1カ月でほぼ完治した後も、さらに1カ月塗り続けると再発予防に。
8. 菌の活動が弱まる冬も積極的に塗る。
ただし、1週間経っても効果が見られない場合は、別の皮膚疾患の可能性もあるので診察を受けましょう。

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副作用が少なく、他の薬と併用できる水虫の新薬が登場!

水虫のなかでも慢性化した「角質増殖型」や爪水虫の治療は、飲み薬での治療が主体になります。これまでに使われてきた飲み薬は、「テルビナフィン(商品名ラミシール)」と「イトラコナゾール(商品名イトリゾール)」の2種類。しかし、肝機能障害などの副作用があったり、併用禁忌薬(併用を禁止されている薬)が多いという難点がありました。その点、重大な副作用が少なく、併用注意薬(併用に注意が促されている薬は)あっても併用禁忌薬がないという点で、注目されているのが、2018年4月に発売された新薬「ネイリン」です。これまで内服薬での治療をあきらめざるを得なかった人も治療することができる可能性が出てきています。

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高齢者の治療、副作用... 飲み薬による水虫治療の不安を解決

水虫のタイプによっては、飲み薬による治療が行われます。しかし、強い副作用や併用できない薬があるため、健康状態などによっては飲み薬が使用できないことも。例えば、高齢者で体力が落ちていたり、他の病気の治療薬を飲んでいる場合、内服薬による完治を目指さず、外用薬を塗って他の部位や家族への感染を防ぐ方法がとられることがあります。妊娠中や授乳中も飲み薬ではなく外用薬による治療が行われます。また、飲み薬の副作用について不安を感じる人も多いですが、主な副作用には、胃部不快感、下痢、悪心、腹痛といった消化器系の症状があります。頭痛や発疹、肝機能障害が見られる場合も。治療途中で体調に不安が出たら、すぐに医師に相談しましょう。

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5:水虫を予防するには?うつらないために何ができる?

水虫はどうやってうつる? 24時間以内に洗えば予防できます

水虫の原因となる白癬菌は、足からはがれ落ちた角質(アカ)に潜み、長ければ1年も生き続けます。浴場のバスマット、温泉施設やプールの脱衣所、飲食店の畳など、不特定多数の人が裸足で過ごす場所には、ほぼ100%白癬菌が存在すると思ってください。それらを踏むことで、白癬菌のいるアカが足に付着します。とはいえ、すぐに水虫がうつるわけではありません。白癬菌が角質層の中に入り込むのは24時間以上かかるため、それまでにアカと一緒にいる菌を洗い流せば感染を防げます。温泉やプールなどに行って帰宅したら、まず足を洗うこと。皮膚に傷があると感染しやすいため、ゴシゴシこすらず石鹸を泡立てて手で洗うのがポイントです。

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日本で一番多い水虫の感染源は"家庭"です

水虫は温泉施設など不特定多数の人が素足で過ごす場所でうつることがありますが、実は、日本で一番多いのは"家庭内感染"です。素足で過ごすことが多いため、家族の誰かが水虫の場合、家中に水虫の原因となる白癬菌をばらまきながら生活していることになるのです。家庭内で水虫をうつさないコツは5つ。白癬菌に感染している人は靴下を履くこと、スリッパやサンダルの共有を避けること、靴は2〜3足を履きまわすこと、隅々まで掃除して菌を取り除くこと、バスマットをこまめに洗うことです。感染していない人も、外用薬を塗ったり、靴下を履くことで、予防効果が期待できます。

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水虫に感染しやすいのは? 汗かきで足の指が太い人は要注意!

水虫になりやすいのはどんな人でしょうか。まず、仕事などで靴を履いている時間が長い人。靴の中の湿度が高くなり、白癬菌の活動も活発になります。白癬菌は高温多湿のところに棲みつきやすいため、汗をかきやすい体質、特に足や手のひらが常に湿った状態の人も要注意。足の指が太めで、指と指の間の湿度が上がりやすい人も同じです。また、水虫と診断されると感染が不安なもの。よくある質問に、「靴を捨てた方がいいか」というものがありますが、水拭きして乾燥させれば白癬菌を除去することができるので、捨てる必要はありません。一緒に洗濯物を洗ったり、同じ湯船に入ったりすることで、うつることもありません。

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6:水虫に似た病気とは?ニセ水虫って何?

かゆい=水虫ではない? 水虫に似た「異汗性湿疹」とは

水虫に似た症状を起こす"ニセ水虫"の代表格が「異汗性湿疹」です。異汗性湿疹は、手のひらや足に汗をかきやすい体質の人に起こりやすい湿疹です。特に指の側面に多くでき、かゆみのほか、皮むけや水疱など、医師でも見分けるのが難しいほど水虫とよく似た症状が現れます。異汗性湿疹になる人は、汗をかきやすい体質から水虫にもなりやすく、合併しているケースがよくあります。その場合、水虫を疑って治療を行っても、異汗性湿疹には水虫の薬が効かないため症状が残り、水虫が改善していないように見えます。水虫の薬が効かない場合は、途中で白癬菌の有無を再度検査し、白癬菌がいなければ異汗性湿疹の併発が疑われます。

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自己診断で治療しないで! "ニセ水虫"はたくさんあります

水虫に似た症状が現れる病気はたくさんあります。足や手の水虫に似た病気としては、様々な原因で起こる「かぶれ」や、カビの一種による「皮膚カンジダ症」、手のひらや足の裏に膿を持った水疱ができる「掌蹠膿疱症」、手のひらや足の裏全体が硬くなる「掌蹠角化症」、乾燥が原因で皮膚がひび割れたりする「亀裂性湿疹」など。爪水虫に似た病気には、爪が厚く硬くなる「厚硬爪甲」、爪先が皮膚から浮き上がる「爪甲剥離症」、爪の表面にへこみなどが生じることから始まる「爪乾癬」のほか、白癬菌以外のカビが爪に入って起こる症状や、靴などで圧迫されて起こる変形があります。それぞれ治療法が異なるため、専門医に診断を仰ぎましょう。

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さん
仲 弥(なか・わたる)先生

慶應義塾大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部皮膚科医長、同・皮膚科専任講師を経て、1996年に仲皮フ科クリニック(埼玉県川越市)を開業。真菌のエキスパートとしてメディアに多数出演。埼玉県皮膚科医会会長、日本臨床皮膚科医会参与(前副会長)、日本皮膚科学会代議員、埼玉県皮膚科治療学会理事、日本医真菌学会評議員、日本皮膚科学会認定専門医。

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