自己診断での治療はキケン! 水虫に似た病気はたくさんあります/白癬菌

pixta_19508570_S.jpg足の指の間がかゆい、水ぶくれができる、皮がむける...これらはすべて水虫の症状です。日本人の5人に1人が水虫に感染しているといわれています。水虫の原因は「白癬菌(はくせんきん)」というカビ(真菌・しんきん)です。白癬菌による感染症を「白癬」といい、実はこのカビ、足だけでなく手や頭など体のいろいろなところに棲みつくことができるのです。

そんな白癬菌の性質や特徴、治療法や予防法を、白癬治療の第一人者、仲皮フ科クリニック院長の仲 弥先生に伺いました。

前の記事「かゆい=白癬ではありません。ニセ水虫にご注意/白癬菌(13)」はこちら。

 

白癬菌以外の菌やアレルギーが原因の場合があります

「白癬」の診断には患部の病態を見て、白癬菌の有無を顕微鏡で調べる必要があります。
かゆみから水虫だと思って診察に来られる患者さんでも、水虫ではないことが多々あります。ニセ水虫の代表格として異汗性湿疹(いかんせいしっしん)についてお話ししましたが、水虫に似た病気は他にもあります。

<足や手の水虫に似た病気>
●かぶれ
靴下や靴などの素材、金属や塗料などのアレルギーや、塗り薬などの刺激などさまざまな原因により、赤くなったり、小さい水疱ができたりします。強いかゆみを伴う場合もあります。

●皮膚カンジダ症
白癬菌と同じくカビの一種である「カンジダ菌」による感染症です。紅斑(こうはん)の他、小さな水疱や膿疱(膿を含んだ水疱)がでたりします。軽いかゆみを伴うことが多いです。

●掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
両方の手のひらや足の裏に、膿疱(膿を持った水疱)が多くできます。しだいにかさぶたになり、はがれ落ちます。水虫と違い、冬でも症状が改善することがなく、かゆみもほとんど伴いません。

●掌蹠角化症(しょうせきかくかしょう)
手のひらや足の裏全体が硬くなる病気です。片方の手や足だけでなく、両手や両足に見られることが多くあります。足裏の場合は全体が黄色みを帯びた厚い角質で覆われます。

●亀裂性湿疹
いわゆるアカギレのことです。乾燥が原因で皮膚がひび割れたります。

 

<爪の水虫に似た病気>
●厚硬爪甲(こうこうそうこう)
高齢になると起きやすい、爪が厚くなって硬くなる症状。

●爪甲剥離症(そうこうはくりしょう)
爪の先が皮膚から浮き上がり、上から見ると爪が白く見える状態になります。女性に多く、靴との摩擦やカンジダ菌感染が原因になります。

●爪乾癬(つめかんせん)
爪の表面に点状のへこみが生じたり、爪がはがれたりすることから始まります。その後、爪が変色したり、もろくなるなど爪白癬によく似た症状を示すことがあります。

●別の菌による症状
カンジダ菌など白癬菌以外のカビが爪に入り、爪白癬に似た症状を起こすことがあります。

●圧迫による変形
靴などで足の小指の爪が圧迫されて変形した状態。

 

いずれも自己診断で治療するのは危険です。
それぞれ治療法が異なりますので、専門医に診断を仰ぎましょう。

 
次の記事「白癬菌に感染しやすいのは汗をかきやすい人、そして足の指が太い人です/白癬菌(15)」はこちら。

取材・文/ほなみかおり

さん
仲 弥(なか・わたる)先生

慶應義塾大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部皮膚科医長、同・皮膚科専任講師を経て、1996年に仲皮フ科クリニック(埼玉県川越市)を開業。真菌のエキスパートとしてメディアに多数出演。埼玉県皮膚科医会会長、日本臨床皮膚科医会参与(前副会長)、日本皮膚科学会代議員、埼玉県皮膚科治療学会理事、日本医真菌学会評議員、日本皮膚科学会認定専門医。

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