かゆくないけれど足の裏の皮膚がむける...水虫かもしれません。足白癬の3タイプ/白癬菌

pixta_30672446_S.jpg足の指の間がかゆい、水ぶくれができる、皮がむける...これらはすべて水虫の症状です。日本人の5人に1人が水虫に感染しているといわれています。水虫の原因は「白癬菌(はくせんきん)」というカビ(真菌・しんきん)です。白癬菌による感染症を「白癬」といい、実はこのカビ、足だけでなく手や頭など体のいろいろなところに棲みつくことができるのです。

そんな白癬菌の性質や特徴、治療法や予防法を、白癬治療の第一人者、仲皮フ科クリニック院長の仲 弥先生に伺いました。

前の記事「白癬の診断方法とは? 顕微鏡で観察をしない医師は信用できません/白癬菌(3)」はこちら。

 

慢性化すると足の裏全体が硬くなり、治療にも時間がかかります

白癬の代表格、足に感染する足白癬(足の水虫)には、3つのタイプがあります。足の指の間に症状が出る「趾間型」、水疱などができる「小水疱型」、足の裏の角質層が硬くなる「角質増殖型」です。
それぞれの特徴を見ていきましょう。

(1)趾間型(しかんがた)
足の指の間(趾間)の皮がむけたり、赤くなったり、白くふやけたりします。放置するとただれることがあり、強いかゆみを伴います。足の水虫の50%以上がこのタイプの水虫です。特に薬指と小指の間に生じることが多くあります。春から夏にかけて症状が出やすく、悪化もしやすくなります。

通常は外用抗真菌薬を1カ月ほど塗ることで治癒することができます。

 

(2)小水疱型(しょうすいほうがた)
足の裏、特に土踏まずや足の指の付け根近くに小さな赤い水疱ができます。水疱は無理にはがそうとするとただれることがあるので避けましょう。水疱がつぶれて汁が出てきても、汁の中には白癬菌はほとんどいないため、汁から感染することはありません。趾間型と同じく春から夏にかけて症状が出やすく、悪化もしやすくなります。

通常は外用抗真菌薬を1カ月ほど塗ることで治癒することができます。

 

(3)角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)
"かゆい"というイメージがある水虫ですが、角質増殖型はかゆみがありません。白癬菌に感染してから年月がたち、慢性化した状態がこのタイプです。
慢性化すると白癬菌が皮膚と共存して免疫が働かなくなるため、免疫反応である水疱やかゆみが起こらなくなります。そして白癬菌が角質層の中で増殖を続けた結果、足の裏全体が厚く硬くなり、ひびわれたり角質がボロボロはがれ落ちたりします。かゆみがないため、肌荒れや老化によるものだと勘違いされていることが多く、保湿クリームを塗っても変化がないときはこのタイプの水虫の可能性があります。

また、角質増殖型は爪白癬を併発していることが多いです。皮膚が硬くなっている角質増殖型は外用薬が浸透しにくく、抗真菌内服薬で治療することがほとんどです。通常、2カ月ほど服用します。趾間型や小水疱型であれば短い治療期間で完治できますが、放置して慢性化し、角質増殖型になると治療にも根気が必要になります。

水虫かな?と思ったら、早い段階で治療を始めましょう。

 
次の記事「これは水虫? 見分けるための目安とは/白癬菌(5)」はこちら。

取材・文/ほなみかおり

 

さん
仲 弥(なか・わたる)先生

慶應義塾大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部皮膚科医長、同・皮膚科専任講師を経て、1996年に仲皮フ科クリニック(埼玉県川越市)を開業。真菌のエキスパートとしてメディアに多数出演。埼玉県皮膚科医会会長、日本臨床皮膚科医会参与(前副会長)、日本皮膚科学会代議員、埼玉県皮膚科治療学会理事、日本医真菌学会評議員、日本皮膚科学会認定専門医。

PAGE TOP