足白癬はどう治す? 水虫治療の基本は外用薬です/白癬菌

pixta_2199559_S.jpg足の指の間がかゆい、水ぶくれができる、皮がむける...これらはすべて水虫の症状です。日本人の5人に1人が水虫に感染しているといわれています。水虫の原因は「白癬菌(はくせんきん)」というカビ(真菌・しんきん)です。白癬菌による感染症を「白癬」といい、実はこのカビ、足だけでなく手や頭など体のいろいろなところに棲みつくことができるのです。

そんな白癬菌の性質や特徴、治療法や予防法を、白癬治療の第一人者、仲皮フ科クリニック院長の仲 弥先生に伺いました。

前の記事「これは水虫? 見分けるための目安とは/白癬菌(5)」はこちら。

 

趾間型と小水疱型は外用薬で治します

水虫は治りにくい、再発するというイメージがあるようですが、きちんと治療すれば、ほとんどの水虫は治ります。

特に足白癬(足の水虫)の趾間型(しかんがた)と小水疱型(しょうすいほうがた)の治療に用いられる外用抗真菌薬(塗り薬)に関しては、1990年代以降に良い薬がたくさん出ており、ほぼ完成形といえます。テルビナフィン(商品名ラミシール)、ブテナフィン(商品名メンタックス)、ルリコナゾール(商品名ルリコン)、ラノコナゾール(商品名アスタット)などがあり、薬のタイプも軟膏、クリーム、液、スプレーなど好みの使用感で選ぶこともできます。

外用薬は1日1回きちんと塗り続ければ、約1カ月で治癒することができます。なかなか治らないという人は、塗り忘れていたり、きちんと患部に塗っていないということはありませんか?
1週間ほど塗るとかゆみがひくなど改善するため、きちんと付けなくなる人も多くいます。「お風呂上がりに塗る」など習慣づけ、症状がなくなってもきちんと塗り続けることが肝心です。4週間きちんと塗ることで、患者の約80%から白癬菌が見つからなくなります。

ただし、足の指の間がジュクジュクしている場合、かきむしったりして傷がある場合などは、薬を塗るのは控えましょう。薬の成分が皮膚を直接刺激し、かぶれの原因になることがあります。また、赤くはれたりしているときは傷口から細菌感染を生じていることがあります。外用薬を塗ることでかえって症状を悪化させることがあるので、専門医を受診してください。

 
医療用と変わらない! 市販の外用薬も優れています

外用薬には市販のものもあります。
処方箋がなくても薬局で購入でき、医療用医薬品と同じ成分を含む"スイッチOTC"と呼ばれる一般用医薬品があり、効果は医療用とほとんど変わりません。異なるのは、医療用は純粋に抗真菌の成分が入っているのに対し、市販のものにはかゆみや炎症を抑える成分が加わっているということ。入っている成分が増える分だけ副作用が起こる確率が高くなるため、人により肌に合わないことがあります。

注意したいのは、水虫だと自己診断をして、水虫ではないのに市販薬を塗り続けてしまうこと。症状が悪化することがあるので注意が必要です。1週間塗っても改善が見られない場合には皮膚科を受診してください。

白癬は正しい治療をすれば治癒できる病気です。敵(白癬菌)の性質が分かっていて武器(外用抗真菌薬)も持っているのですから、上手に戦いましょう。

※商品名はすべて先発薬のものです。

 
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取材・文/ほなみかおり

 

さん
仲 弥(なか・わたる)先生

慶應義塾大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部皮膚科医長、同・皮膚科専任講師を経て、1996年に仲皮フ科クリニック(埼玉県川越市)を開業。真菌のエキスパートとしてメディアに多数出演。埼玉県皮膚科医会会長、日本臨床皮膚科医会参与(前副会長)、日本皮膚科学会代議員、埼玉県皮膚科治療学会理事、日本医真菌学会評議員、日本皮膚科学会認定専門医。

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