治療をあきらめていた人にも希望の光が。2018年4月、内服薬に新薬が登場!/白癬菌

pixta_24877892_S.jpg足の指の間がかゆい、水ぶくれができる、皮がむける...これらはすべて水虫の症状です。日本人の5人に1人が水虫に感染しているといわれています。水虫の原因は「白癬菌(はくせんきん)」というカビ(真菌・しんきん)です。白癬菌による感染症を「白癬」といい、実はこのカビ、足だけでなく手や頭など体のいろいろなところに棲みつくことができるのです。

そんな白癬菌の性質や特徴、治療法や予防法を、白癬治療の第一人者、仲皮フ科クリニック院長の仲 弥先生に伺いました。

前の記事「足白癬は1カ月で治る! 塗り薬の上手な使い方とは?/白癬菌(7)」はこちら。

 

角質増殖型の足白癬と、爪白癬は内服薬で治療します

足白癬は外用薬による治療が基本ですが、慢性化した「角質増殖型」や、爪に白癬菌が感染する「爪白癬(爪の水虫)」は塗り薬での治癒は難しく、経口抗真菌薬(内服薬)での治療が主体になります。
2018年3月現在で使われている内服薬は、2種類あります。

 

●テルビナフィン(商品名ラミシール)

先発薬ラミシールの場合、1日1回1錠、角質増殖型の足白癬の場合は約2カ月、爪白癬の場合はおおむね約6カ月間服用します。肝機能障害と血液障害の副作用が強いため、途中で血液を採って検査しながら治療を行います。
日本では3人死亡例が報告されていますが、皮膚科できちんと経過を見ながら服用すれば危険な薬ではありません。爪白癬の完治までにかかる薬剤費は約半年で8,500円前後(自己負担3割の場合)です。

 

●イトラコナゾール(商品名イトリゾール)
先発薬イトリゾールの場合、角質増殖型の場合は1日2カプセルを2回に分けて、約2カ月服用します。薬剤費は8週間で約12,000円(自己負担3割の場合)です。
爪白癬の治療には、主に「パルス療法」が行われます。これは1日8カプセルを2回に分けて1週間続けて服用した後、3週間休むというのを3回繰り返すものです。一度にたくさんの薬を服用した方が爪に薬がいきわたりやすいためです。

この薬は併用できない薬が多いことが難点となっています。パルス療法で完治までにかかる薬剤費は21日間で約18,000円(自己負担3割の場合)です。

※薬価は2018年4月現在のものです。

 
併用禁忌薬のない新薬の登場で、治療の選択肢が広がります

これまで2種類しかなかった保険適用の内服薬ですが、2018年4月から、日本で開発された爪白癬専用の新薬「ネイリン」が発売になります。

●ホスラブコナゾール(商品名ネイリン)
爪白癬専用の内服薬で、特徴は、併用注意薬(※1)はあるが併用禁忌薬(※2)はないということ。また、テルビナフィンに比べて重大な副作用が少ないということです。
服用期間は、1日1回、3カ月間です。

高齢者に多い爪白癬は、患者が別の病気による投薬を受けていることが多くあり、テルビナフィンやイトラコナゾールが使えないケースが多々あります。しかしネイリンの登場で内服薬での治療をあきらめざるを得なかった人も治療することができる可能性がでてきました。
今後はネイリンが爪水虫の内服薬の主流になるかもしれません。

※1...併用するのに注意が促されている薬  
※2...併用を禁止されている薬

※商品名はすべて先発薬のものです。

 

次の記事「爪がボロボロに...実は足より怖い爪白癬/白癬(9)」はこちら。

取材・文/ほなみかおり

さん
仲 弥(なか・わたる)先生

慶應義塾大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部皮膚科医長、同・皮膚科専任講師を経て、1996年に仲皮フ科クリニック(埼玉県川越市)を開業。真菌のエキスパートとしてメディアに多数出演。埼玉県皮膚科医会会長、日本臨床皮膚科医会参与(前副会長)、日本皮膚科学会代議員、埼玉県皮膚科治療学会理事、日本医真菌学会評議員、日本皮膚科学会認定専門医。

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