大きい筋肉は下半身に集中している
私の「運動の適量」は、1日3000歩程度歩くことと、1日10回のスクワットです。
主な目的は、血糖値の調整です。
どちらも、脚に重点を置いた運動です。というのも、人間の体のなかで大きい筋肉は下半身に集中しているからです。脚に筋肉をつけると効率よく糖を消費してくれるので、血糖値を下げるのにちょうどいいのです。
みなさんも、60歳からは、今まで以上に、脚を鍛えることを意識しましょう。筋トレをする人は、ともすると腕の筋肉や胸筋や腹筋など、目につくところばかり鍛えがちですが、筋肉量の多い部分を鍛えるほうが代謝も進みますし、将来起こり得る「ロコモティブシンドローム」(歩けなくなったり、寝たきりになったりする状態)を防ぐことができます。
階段を使って「ブレーキ筋」を鍛えよう
脚の筋肉には、「落ちやすい」という特徴もあります。
とりわけ落ちやすいのが「ブレーキ筋」です。
たとえば階段を降りるとき、足が柔らかく着地できるよう加減をする筋肉がブレーキ筋です。太ももの大腿四頭筋などが代表格です。
ブレーキ筋の衰えを防ぐには、やはり階段を歩くのが一番です。手摺りにつかまりながら、昇るよりも、降りることを重点的に行いましょう。
もう一つ、男性の方に知っておいていただきたいのは、男性ホルモンが減ると筋肉がつきにくくなるということです。筋トレの効果が出ないときは、男性ホルモンの値を調べてみましょう。もし不足していたら、男性ホルモンを補充することで筋肉がつきます。
<POINT>
つらい思いをしてまで運動すると、かえって体が老化する。楽しくできる範囲で、下半身を意識して行うのが効率的。