60歳以降はメタボでもOK!? 「小太り体型」が長生きする研究結果に、「痩せたい願望」を見直す時

【本作を第1回から読む】今の60代は無数の仕事から「選べる」立場! 精神科医・和田秀樹先生による「幸せな再就職」のすすめ

『60歳からは、「これ」しかやらない 老後不安がたちまち消える「我慢しない生き方」』 (和田秀樹/PHP研究所)第6回【全8回】

「孤独」「健康」「金(お金)」...老後不安の「3K」を抱えていませんか?「60歳からは、好き放題に生きていい。」を提唱するのは、高齢者専門の精神科医として延べ6000人を診てきた和田秀樹先生。『60歳からは、「これ」しかやらない 老後不安がたちまち消える「我慢しない生き方」』は、老後に対する不安を払拭できる指南書です。60代からは、むしろ「チャンス」。考え方を180度チェンジして、人生を謳歌しましょう!

※本記事は和田秀樹著の書籍『60歳からは、「これ」しかやらない 老後不安がたちまち消える「我慢しない生き方」』(PHP研究所)から一部抜粋・編集しました。


メタボも気にしない

60歳以降はメタボでもOK!? 「小太り体型」が長生きする研究結果に、「痩せたい願望」を見直す時 60歳からは、「これ」しかやらない 老後不安がたちまち消える「我慢しない生き方」_記事06アイキャッチ.jpg

「肥満=悪」も世の中の常識になっている。「メタボリック・シンドローム(メタボ)」という言葉も、すっかり定着した。しかし、体重と寿命の相関を見ると......。

一番長生きできるのは「小太り体型」

「新陳代謝が落ちたせいか、そんなに食べていないのに体重が増えていく」

そう思って、ダイエットに励はげむ方をよく見かけます。「美容のために痩せたい」という方もいますが、「メタボは体に悪いから」と考える人も多くいます。

たしかに、内臓脂肪が多すぎると、高血圧や糖尿病などの病気を招きやすくなります。過度な肥満は解消したほうがいいでしょう。

しかし、「過度」でなければ、メタボと診断されても、気にする必要はありません。

「BMI」という指標をご存じの方は多いと思います。「体重(kg)÷身長(m)の2乗」で算出される数値で、18.5~ 25.0未満が「健康」とされています。

ところが、さまざまな統計で、これに反するデータが出ています。

BMIの数値を何段階かに分けて平均余命を比較した日本の調査では、BMIが25.0~ 30.0未満の人が、40歳以降の平均余命が一番長いという結果が出ました。もっとも短かったのは18.5未満の人で、両者の間には6~7年の開きがありました。

2006年のアメリカの「国民健康栄養調査」でも、BMIが25.0~ 29.9の人が一番長生きという結果に。18.5未満の人の死亡率は、その2.5倍に上りました。

つまり「小太り」程度の人が、一番長生きできるのです。

BMIが35以上の肥満でない限り、無理に体重を落とさなくていいのです。

60歳を過ぎてから体重を落とすと、栄養不足になります。体はもちろん、脳にも十分に栄養を送れず、頭の働きも悪くなります。

痩せている年配の方は、たいてい見た目がしなびたような印象で、しわも目立ちます。ぽっちゃりしている方のほうが、肌もつややかで若々しく見えます。

 

和田秀樹
精神科医。1960年、大阪府生まれ。1985年に東京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院、国立水戸病院、浴風会病院精神科、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローなどを経て、現在、立命館大学生命科学部特任教授。映画監督としても活躍している。1987年のベストセラー『受験は要領』以降、精神医学・心理学・受験関連の著書多。近著に『老いの品格』『頭がいい人、悪い人の健康法』(ともにPHP新書)、『50歳からの「脳のトリセツ」』(PHPビジネス新書)、『60歳からはやりたい放題』『60歳からはやりたい放題[実践編]』(ともに扶桑社新書)などがある。

※本記事は和田秀樹著の書籍『60歳からは、「これ」しかやらない 老後不安がたちまち消える「我慢しない生き方」』(PHP研究所)から一部抜粋・編集しました。
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