【本作を第1回から読む】今の60代は無数の仕事から「選べる」立場! 精神科医・和田秀樹先生による「幸せな再就職」のすすめ
『60歳からは、「これ」しかやらない 老後不安がたちまち消える「我慢しない生き方」』 (和田秀樹/PHP研究所)第8回【全8回】
「孤独」「健康」「金(お金)」...老後不安の「3K」を抱えていませんか?「60歳からは、好き放題に生きていい。」を提唱するのは、高齢者専門の精神科医として延べ6000人を診てきた和田秀樹先生。『60歳からは、「これ」しかやらない 老後不安がたちまち消える「我慢しない生き方」』は、老後に対する不安を払拭できる指南書です。60代からは、むしろ「チャンス」。考え方を180度チェンジして、人生を謳歌しましょう!
※本記事は和田秀樹著の書籍『60歳からは、「これ」しかやらない 老後不安がたちまち消える「我慢しない生き方」』(PHP研究所)から一部抜粋・編集しました。
子どもや孫に財産を残さなくていい
子どもや孫に財産を残そうとして、自分のために使わないのは、果たして幸福な老後だろうか? 財産を残すことは、子どもや孫にとって、本当にいいことだろうか?
残すべきは財産ではなく「いい世の中」
「子どもや孫に、少しでもたくさん財産を残してやりたい」
そういう気持ちの方もいるかもしれません。
しかし、大きな視野で考えると、それは決して子どもや孫のためにはなりません。
日本人の個人金融資産の多くを高齢者が占めていると述べましたが、そうして貯め込んでいることは、世の中にお金が回らないことを意味します。
景気の良し悪しは、世の中に回るお金の量で決まります。国民がお金を使えば経済が活性化し、使わなければ停滞します。
お金を使って買ってくれる人が少ないと、企業も潤いません。ですから、従業員に払う賃金が少なくなります。賃金が少ないと、税収も少なくなります。要は、国も企業も個人も、アンハッピーになるのです。そういう世の中を、次代に渡していいのでしょうか。
子どもや孫の世代が幸せに生きられる社会をつくるために、お金の巡りをよくするほうが、はるかにいい親、いい祖父母ということになるでしょう。