実は、ひざの痛みは、下肢の筋肉を鍛え直すことで十分に予防や改善ができます。一生自分の足でスタスタ歩くために、ひざを守るためのトレーニングを始めましょう。戸田リウマチ科クリニック院長・医学博士の戸田佳孝(とだ・よしたか)先生に、ひざを守る筋肉をアップする簡単トレーニングを教えていただきました。
「軽い体操と食事」でひざの痛みと無縁に!
階段を上り下りする際や歩いているときなど、ひざが痛んで思うように動けないという経験はありませんか?
ひざに痛みがあると、動くことが億劫になり、脚の筋肉が衰えてますますひざに負担がかかるようになります。
「ひざの痛みは、ひざを支える筋肉を鍛えることで予防・改善できます。〝どうせ治らない〟などと諦めず、痛みの症状に合わせたトレーニングに取り組みましょう。また、食事も大切。ひざを守る食材を積極的に摂るようにしてください。いくつになっても自分の足で歩けることが、健康で長生きの秘訣です」と、戸田佳孝先生。
ひざを守る最善策をご紹介。
まずは簡単にできる体操で脚の力を鍛えましょう。
こんなときひざの痛みありませんか?
①歩いているときに痛む
▼
「壁もたれペッパー警部風スクワット」をやってみて!
股関節を動かして、らくに歩けるひざに
歩いているときにひざが痛むのは、ひざが横揺れするせいです。ペッパー警部風スクワットで股関節を開く運動を続けることで、歩行中のひざの横揺れを改善。通常のスクワットと違い、ひざに負担をかけずに行えます。
記事はこちら:歩くとひざが痛む人に。「ペッパー警部風スクワット」のススメ
②階段を下りるときに痛む
▼
外ももの筋力強化! 「脚上げ体操」がオススメ
脚を斜め後ろに上げて、外ももの力をアップ!
階段を下りるときにひざが痛むのは、体の横揺れが大きくなるから。これを防ぐためには、脚を開くときに働く外転筋(外ももの筋肉)の強化が必要です。まずは1日に15回から始め、徐々に数を増やすと効果的です。
記事はこちら:階段を下りるとき、ひざが痛む人に。外ももの筋力を強化する「脚上げ体操」のススメ
③30分程度立ちっぱなしでいると痛む
④階段を上るときに痛くてつらい
▼
「立ちっぱなし」や「階段を上るとき」にひざが痛むなら「20秒間で水平足踏み」を!
とにかくたくさん!!足踏みに挑戦
長時間立っていたり、階段を上ったりしたときにひざが痛むのは、腸腰筋が弱っているから。腸腰筋は、股関節を曲げる働きを担っており、歩くときに脚を持ち上げ、体を前に押し出す役割を果たしています。また、骨盤が前後に傾かないように安定させる働きも。
記事はこちら:長時間立っているとひざが痛む人に...腸腰筋を鍛える「20秒間で水平足踏み」のススメ
⑤いすから立ち上がるときに痛む
▼
ひざを安定させましょ!「足先内向きコーナースクワット」
内股スクワットでひざを安定させる!
太ももの前側にある大腿四頭筋と裏側のハムストリングスが弱っていると、ひざを安定させることができません。そのため、いすから立ち上がるときに痛みが出ます。この2つの筋肉を鍛えることで、姿勢が安定してひざの痛みが防げます。
記事はこちら:「いすから立ち上がるとき」にひざが痛むならコレ!「足先内向きコーナースクワット」
⑥寝ているときに足が痛くて眠れない
▼
ひざを伸びなくなる前ぶれです!「80%の力でひざ伸ばし」を‼
測定で筋力アップを実感!まずは80%の力を知る
横になっているときにひざに痛みを感じるのは、ひざがまっすぐ伸びなくなる前ぶれです。体重計で定期的に筋力測定を行って筋力アップを実感することでトレーニングが長続きして、ひざを守る力もアップします。
記事はこちら:体重計で最大筋力を測定!横になるとひざが痛む人向け「80%の力でひざ伸ばし」のススメ
⑦正座をすると痛い
▼
正座ができる足に!「お風呂の中でひざ曲げトレーニング」
お風呂でひざを曲げて正座ができる足に!
体重をかけながらひざを曲げる正座は、年を重ねるにつれてつらくなるものです。ですが、水中では浮力が働き、ひざにかかる体重が3分の1になります。浴槽の中でできる、ゆっくり体重をかけて正座をする練習が効果的です。
記事はこちら:正座するとひざが痛む人に。負担の少ない「お風呂の中でひざ曲げトレーニング」のススメ
これは全員におすすめ!皆さんやってみてください‼
「ひざ伸ばし&内もも強化体操」
ひねる動きが太もも前面に効く
股関節を動かして、らくに歩けるひざに歩いているときにひざが痛むのは、ひざが横揺れするせいです。ペッパー警部風スクワットで股関節を開く運動を続けることで、歩行中のひざの横揺れを改善。通常のスクワットと違い、ひざに負担をかけずに行えます。
記事はこちら:一生自分の足で歩くために...まずはコレ!「ひざ伸ばし&内もも」強化体操
【まとめ読み】特集「ひざの痛み別★足のらくらく体操」記事リスト
取材・文/笑(寳田真由美) 撮影/木下大造