骨は40歳ごろまでは一定量を維持しますが、以降は加齢とともに骨づくりの速度が衰え、徐々に骨量が減少します。そこで、ぜひ毎日コツコツ行いたいのが「60秒骨たたき」。これは、医学博士の中村光伸先生の考案によるもの。骨に刺激を与え「オステオカルシン」という非コラーゲン性たんぱく質の働きを高めることで、骨を丈夫にできる、とても簡単な健康法なのです。ぜひ、試してみてください。
座ったままで「ひざコツコツ」
【座って60秒間×左右交互にたたく】
背もたれに背中が触れないようにひざを90 度に曲げ、正しい姿勢で座ります。
そのままの状態で60秒間、ひざの上の辺りをこぶしで交互にたたきます。
この体操が基本形。
1日に合計100回を目指しましょう。
1.こぶしは胸の高さから軽く下ろす
右のこぶしを胸の辺りの高さまで上げ、手の重みを利用してそのまま軽く下ろします。ポイントはたたいた振動が足裏にまで抜けていくように伝わること。
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2.リズムよく左右交互にたたく!
右と同様、左のこぶしもひざの上の辺りをたたきます。左右交互にたたくのは自分のペースで構いません。また、必要以上に強くたたくこともありません。
【Good Point!】
※「骨たたき」については、こぶしであまり強くたたいたり、かかとを必要以上に地面に強く下ろしたりしないように注意してください
NG
×ひざを90度以上開くと力が伝わらない
ひざを開いた状態で骨たたきをすると足裏まで力の振動が伝わりません。さらにひざが逆に曲がるような力が加わるため、強くたたくと痛める可能性あり。
×足を伸ばすとひざが遠くなる
足を伸ばした状態でたたこうとすると、ひざが遠くなるので前屈姿勢になります。また、ひじも伸びた状態になるので、力を入れてたたきにくくなります。
前かがみになるのは×
×ひざが曲がるとかかとが浮く!
かかとが上がった状態でこぶしを下ろしても力が入りません。しかも、こぶしの力が足裏まで伝わらないため、たたいた刺激の伝導が小さくなります。
かかとが浮くと効果が弱まる
×ねこ背になると手が上げにくい
足を後方に曲げるとかかとが上がるため、ねこ背になります。そのまま背筋を伸ばそうとすると股関節や腰に少し負荷がかかるのでケガの原因になります。
◆1分間の骨たたきを2カ月間続けるとオステオカルシンが増加
30代後半女性、40代前半女性、50代前半女性のモニターに2カ月間『骨たたき』を実施。オステオカルシンの数値を調べました。すると、2カ月後には全員が約20%増加する結果に。
取材・文/木之下潤 撮影/齋藤ジン イラスト/角 裕美 モデル/永谷佳奈