実は、ひざの痛みは、下肢の筋肉を鍛え直すことで十分に予防や改善ができます。一生自分の足でスタスタ歩くために、ひざを守るためのトレーニングを始めましょう。戸田リウマチ科クリニック院長・医学博士の戸田佳孝(とだ・よしたか)先生に、ひざを痛めずに、歩く力を養うトレーニングを教えていただきました。
痛みのある人はひざを外向きにして歩く!
ひざが痛むから歩くのが億劫でウォーキングはできない。
という人は、これから紹介する歩き方がおすすめです。
「歩行中にひざが横揺れしないためには、ひざが曲がった状態から伸びていく際、大腿骨に対して脛骨(けいこつ)が少し外側に回転する〝スクリューホーム運動〟が起こりますが、ひざ痛のある人の場合、この運動が起こりにくく、ひざにかかる負担が大きくなります。
ですから、大股で、前に出す方のひざは外向きを意識することで負担がかかりにくくなります」と、戸田先生。
歩くときは、自分のペースでかまいません。
歩幅を大きく、できれば両腕を振りながら、無理せず歩くのが理想です。
ひざを痛めずに、歩く力を養うにはトレーニングが必要です
《お外で》
歩幅は大きめに
ふだんより少し速めに歩こうと意識するあまり、歩幅が狭くなってしまっては、ひざに負担がかかる姿勢になります。急がず、大股で歩くようにしましょう。
ひざは外向きを意識
足を前に出すときには、ひざは外向きになるよう意識しましょう。ひざの横揺れを防ぐことができます。
ひざが痛くなったら!
万が一、歩いている途中でひざが痛くなったら、無理せずに休みましょう。
靴は...
革靴は避け、スニーカーやウォーキングシューズで歩きましょう。
ひざの横揺れを防ぐ体操で下肢の筋肉をアップ!
ウォーキングをするには、ひざの横揺れを防ぐ筋肉が必要です。
それには、下記の股関節を開く運動や、脚を持ち上げる筋肉を鍛える運動が効果的です。
「ひざが痛む人は、サポーターや100円ショップで売っている外側が高い中敷きを入れて歩くのもおすすめです」(戸田先生)。
ひざの痛みを予防・改善し、一生自分で歩ける力を養いましょう。
《家の中で》
壁もたれペッパー警部風スクワット
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20秒間で水平足踏み
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ひざに痛みがあるときは「足をサポートするグッズ」を活用!
中敷き
ひざが痛む人は靴の底の外側が減るので外側の傾斜の高い中敷き(外側楔状足底板)がおすすめです。
サポーター
ひざの安定性を高めるためには、サポーターは巻くタイプを。ただ巻くのではなく、締め付けることが大切。
取材・文/笑(寳田真由美) 撮影/木下大造