小島よしお「ピンで売れてやる!」グループ解散後に奮起したワケ。周りに気づかされた「自分の芸風」

得意なところで勝負する

稲垣栄洋先生――すでに紹介したように、自然界で生物が生存するためには「ニッチ」と呼ばれる居場所が必要である。

生物は居場所をめぐって競争する。そして、居場所を確保した生物は生き残り、居場所を得られなかった生物は滅んでいくのだ。

まさに自然界はイス取りゲームである。

それでは、どのようにして居場所を見つければよいのだろうか?

苦手なところで勝負しても勝てるはずはない。誰かのマネをしたとしても、誰かに勝てるはずはない。

自分の得意なところで勝負するしかないのだ。

雑草はどこにでも生えるイメージがあるかもしれないが、じつは生える場所は決まっている。

よく踏まれる場所には、踏まれるのに得意な雑草が生えている。

よく草刈りされる場所には、草刈りに強い雑草が生えている。

よく草むしりされる場所には、草むしりに強い雑草が生えている。

どの雑草も自分に得意なところにしか生えていない。

「どんな場所にも生える雑草は強い」と言われるが、じつはどんな場所にも生えているわけではない。雑草が強く見えるのは、得意な場所だけに生えているからなのだ。

自然界は居場所を取り合うイス取りゲームである。

魚が陸上を走ろうとしても、陸を走る生き物には敵(かな)わない。陸を走る動物がどんなに泳ぐ練習をしても、泳ぎ回る魚には敵わない。

苦手なことを克服する努力をするよりも、自分の力が発揮できる「得意な場所」を探す方がいい。

どこにでも生えているように見える雑草でさえも、じつは、「勝負する場所」をわきまえているのだ。

 

稲垣栄洋
農学博士、植物学者。1968年、静岡県生まれ。静岡大学大学院教授。岡山大学大学院農学研究科修了後、農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て現職。主な著書に、『弱者の戦略』(新潮選書)、『生き物の死にざま』(草思社)などがある。


小島よしお
芸人。1980年、沖縄県生まれ。早稲田大学在学中にコントグループ「WAGE」でデビュー。2006年より、ピン芸人として活動。2007年に「そんなの関係ねぇ!」で大ブレーク。年間100本以上の子ども向け単独ライブを行い、“日本一子どもに人気のお笑い芸人”として活躍している。主な著書に、『おっぱっぴー小学校算数ドリル』(KADOKAWA)、『小島よしおのボクといっしょに考えよう』(朝日新聞出版)などがある。

※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています


※本記事は稲垣栄洋、小島よしお著の書籍『雑草はすごいっ!』(PHP研究所)から一部抜粋・編集しました。

この記事に関連する「暮らし」のキーワード

PAGE TOP