「遺言書」を作成する「3つのメリット」とは? 書き方や実例を学んで「相続トラブル」を回避しよう

遺言書を残す3つのメリット

遺言書の内容は、法律よりも優先される

遺言書に相続の方向性を指示しておけば、相続トラブルを未然に防ぐことができます。

遺言書に記載された内容は、法律で定められた割合よりも優先されます。

遺言書のメリットは、おもに「3つ」あります。

【遺言書のメリット】

(1)遺産分割が円滑に進む

「長男には土地を残し、それ以外の子どもには現金を残したい」といったように、家族関係の状況に応じて財産を分けることができます。

(2)法定相続人以外にも財産を譲ることができる

「孫にも財産を遺贈したい」

「介護をしてもらった長男の嫁にも財産を残したい」

「お世話になった友人に財産を渡したい」

「ボランティア団体に寄付したい」

など、法定相続人以外にも財産を残すことができます。

ただし、法定相続人には「遺留分」が認められています。

遺留分とは、「一定の相続人のために、法律上、必ず残しておかなければならない遺産の一部分」のことです。

仮に兄弟が2人いて、遺言書に「すべての遺産は長男に譲る」と書いてあったとしても、次男が遺留分の権利を主張すれば、一定の範囲内で取り戻すことができます(遺留分侵害額請求といいます)。

(3)相続税申告期限内に申告ができる可能性が高くなる

遺言書がないと、相続人全員で「遺産分割協議」を行うことになります。

遺産分割協議とは、「亡くなった人が残した財産を、どのように分けるかを相続人全員で話し合うこと」です。

【遺産分割協議(書)】
遺産の分割方法を相続人全員で協議して定め、書面を作成する。相続人の数だけ作成し、全員の署名、実印を押印して各自1通ずつ保管する。

人数が多くなるほどさまざまな意見が飛び交い、話がまとまりにくくなります。

遺産分割協議書は、相続人の中でひとりでも納得できない場合は、成立しません。

全員の同意が必要です。

相続税の申告期限内に遺産分割が確定しないと、未分割で申告することになり「小規模宅地等の特例の適用」や「配偶者の税額軽減の適用」が受けられなくなります。

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清田幸弘

ランドマーク税理士法人代表税理士、立教大学大学院客員教授。横浜農協(旧横浜北農協)に9年間勤務、金融・経営相談業務を行う。資産税専門の会計事務所勤務の後、1997年、清田幸弘税理士事務所設立。その後、ランドマーク税理士法人に組織変更し、現在13の本支店で精力的に活動中。急増する相談案件に対応するべく、相続の相談窓口「丸の内相続プラザ」を開設。また、相続実務のプロフェッショナルを育成するため「丸の内相続大学校」を開校し、業界全体の底上げと後進の育成にも力を注いでいる。

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※この記事は『相続専門の税理士、父の相続を担当する』(清田幸弘/あさ出版)からの抜粋です。

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