自分の「記憶脳タイプ」を知ることで眠っている脳の細胞が動き出す!【脳内科医が解説】

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『衰えた脳を呼び覚ます すごい記憶力の鍛え方』 (加藤俊徳/KADOKAWA)第3回【全9回】

「脳はいくつになっても成長します」と話すのは、脳内科医、医学博士の加藤俊徳先生。発達脳科学・MRI脳画像診断の専門家として、小児から超高齢者まで1万人以上を診断・治療してきました。加藤先生の書籍『衰えた脳を呼び覚ます すごい記憶力の鍛え方』(KADOKAWA)では、「記憶力」を脳科学的な視点で分析し、一人ひとりに合った「記憶法=記憶脳タイプ」を具体的な例とともに紹介しています。「最近、物忘れが多い」とお悩みの方も、自分の「記憶脳タイプ」を理解することで、どんどん物事を覚えられる可能性があるのです! 今回はこの本の中から「記憶脳タイプ」を理解するために知っておきたいことをご紹介します。

※本記事は加藤俊徳著の書籍「衰えた脳を呼び覚ます すごい記憶力の鍛え方」から一部抜粋・編集しました。

3種類の記憶脳タイプ

人間の脳の大部分は眠っていて、その眠っている部分に潜在能力を秘めている、という話を聞いたことはあるでしょうか。普段私たちが使っている脳は、全体の10%ほどとも言われており、その大部分は無意識化で働くものだという説もあります。

記憶を蓄積できる「脳のキャパシティ」は、誰にでも大きく備わっています。

しかしながら、脳の細胞のほとんどは眠っていて、動いていません。

このキャパシティを使うためには、自分の脳内で理解系脳番地がどの脳番地に強く結びついているかを理解することが必要です。

詳しくは後ほど解説しますが、暗記タイプは大きく3つに分けることができます。


(1)視覚系タイプ=見ることで理解しやすい人...視覚系→理解系の回路が発達している
(2)聴覚系タイプ=聞くことで理解しやすい人...聴覚系→理解系の回路が発達している
(3)感覚・運動系タイプ=体験することで理解しやすい人...感覚・運動系→理解系の回路が発達している


視覚系脳番地・聴覚系脳番地・そして身体の皮膚感覚を司る感覚野(感情系脳番地の一つ)は、身体活動を司る運動系脳番地と共に働き情報を取得する「入力系」と呼び、これらの入力系脳番地と、理解系脳番地がどう結びついているかが重要です。

たとえば、何かを覚えようとする時に、視覚系と理解系の繫がりが強い人が「聞いて覚えよう」とすると、すぐ脳のキャパシティをオーバーしてしまうでしょう。脳が不得意な方法で覚えようとすると、脳自体が緊張して記憶系脳番地がうまく働きません。これは逆にいえば、リラックスしている時には記憶系脳番地がよく動くということ。自分が得意な方法で暗記を行えば、本来の脳の実力を発揮できるというわけです。

運動系や聴覚系よりも視覚系が得意な人には、本を与えるなり映像を見せるなりして視覚系脳番地を動かしつつ覚える方が向いていて、覚えられる量も段違いに増えます。

自分に合った「記憶脳タイプ」を知ることで、脳のキャパシティが「大きくなる」のではありません。もともとあなたが持っていた広大な脳のキャパシティを、自分自身で実感できるようになるのです。

 
※本記事は加藤俊徳著の書籍「衰えた脳を呼び覚ます すごい記憶力の鍛え方」から一部抜粋・編集しました。

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