歯周病、睡眠不足、カビが、認知症を引き寄せる? 【認知症予防の新常識】

歯周病、睡眠不足、カビが認知症を引き寄せる?

認知症になる原因ははっきりしていませんが、近年では歯周病、睡眠不足、カビとの関係についての研究報告が多数なされており、注目を集めています。それぞれ少し詳しく見てみましょう。

●歯周病
歯周病だと深くなる歯周ポケット保有者の割合は、年齢が増すにつれて高くなり45歳以上では過半数を占めます。近年の研究により、歯周病菌がアルツハイマー型認知症の原因となるタンパク質のアミロイドβが脳へ蓄積する速度を速めることがわかりました。また成人が歯を失う原因として最も多いのが歯周病で、失った歯の数が多いほど認知症になりやすいこともわかっています。

●睡眠不足
睡眠不足はさまざまな病気の発症率を高めるといわれ、認知症の発症リスクにも関わっていると考えられています。イギリスの研究では、6時間以下の睡眠は認知症のリスクを30%高めることがわかりました。睡眠が脳内のアミロイドβを掃除するために重要な役割を果たしており、睡眠不足になると掃除しきれなくなるためだと考えられています。

●カビ
自宅の浴室、洗面所、キッチン、エアコン、加湿器などにカビが発生していないでしょうか?「クリプトコッカス」と呼ばれるカビを吸い込むと、脳で増殖し、マイコトキシンという毒素を発生させます。この毒素が脳でアミロイドβを作り続け、アルツハイマー型認知症のリスクが高まってしまうとか。カビが発生しやすい場所は定期的にチェックして、お手入れをしましょう。

 

監修:川嶋 朗(かわしま・あきら)
神奈川歯科大学大学院統合医療学講座特任教授
総合内科専門医・医学博士

1957年、東京生まれ。北海道大学医学部卒業後、東京女子医科大学入局。東京女子医科大学大学院、ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院、東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック所長、東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科教授・東洋医学研究所付属クリニック自然医療部門医師を経て現職に。日本初の高等教育機関による統合医療教育を設立。漢方をはじめとするさまざまな代替・伝統医療を取り入れ、西洋医学と統合した医療を手がけている。西洋医学の専門は腎臓病、膠原病、高血圧など。統合医療SDM クリニック院長。

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※本記事は川嶋朗 (監修)著の書籍『知らないと怖ろしいカラダの新常識100』(アチーブメント出版)から一部抜粋・編集しました。

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