歯周病、睡眠不足、カビが認知症を引き寄せる?
認知症になる原因ははっきりしていませんが、近年では歯周病、睡眠不足、カビとの関係についての研究報告が多数なされており、注目を集めています。それぞれ少し詳しく見てみましょう。
●歯周病
歯周病だと深くなる歯周ポケット保有者の割合は、年齢が増すにつれて高くなり45歳以上では過半数を占めます。近年の研究により、歯周病菌がアルツハイマー型認知症の原因となるタンパク質のアミロイドβが脳へ蓄積する速度を速めることがわかりました。また成人が歯を失う原因として最も多いのが歯周病で、失った歯の数が多いほど認知症になりやすいこともわかっています。
●睡眠不足
睡眠不足はさまざまな病気の発症率を高めるといわれ、認知症の発症リスクにも関わっていると考えられています。イギリスの研究では、6時間以下の睡眠は認知症のリスクを30%高めることがわかりました。睡眠が脳内のアミロイドβを掃除するために重要な役割を果たしており、睡眠不足になると掃除しきれなくなるためだと考えられています。
●カビ
自宅の浴室、洗面所、キッチン、エアコン、加湿器などにカビが発生していないでしょうか?「クリプトコッカス」と呼ばれるカビを吸い込むと、脳で増殖し、マイコトキシンという毒素を発生させます。この毒素が脳でアミロイドβを作り続け、アルツハイマー型認知症のリスクが高まってしまうとか。カビが発生しやすい場所は定期的にチェックして、お手入れをしましょう。