コレステロール値は、高めのほうが健康的!? 「敵視」すべきコレステロールの「正体」

【関連記事】死亡率最悪の脳塞栓症、睡眠中に起こる危険な脳梗塞...3種類の「脳梗塞」に注意しよう

『知らないと怖ろしいカラダの新常識100』 (川嶋朗:監修/アチーブメント出版)第1回【全5回】

さまざまなメディアを通して、健康情報に触れられる時代。けれど、ちまたに氾濫する情報の中には、真偽のほどが危ういものも少なくありません。

神奈川歯科大学大学院統合医療学講座・特任教授の川嶋朗先生が監修した1冊『知らないと怖ろしいカラダの新常識100』には、最新のエビデンスに基づいた、これまでの健康常識をアップデートする知識がいっぱい。
本書の中から、読者の関心が高い項目を抜粋してご紹介します。

※本記事は川嶋朗氏監修の書籍『知らないと怖ろしいカラダの新常識100』(アチーブメント出版)から一部抜粋・編集しました。


悪玉コレステロールこそが心筋梗塞の最大原因

コレステロール値は、高めのほうが健康的!? 「敵視」すべきコレステロールの「正体」 pixta_40388574_M.jpg

高血圧の状態が続くとどうなるか。血管の壁は、本来弾力性があるものです。にもかかわらず、高血圧状態が長く続いてしまうと、血管は常に張りつめた状態に置かれてしまいます。すると、血管が徐々に弾力性を失って厚く硬くなり、動脈硬化が起こるのです。

動脈硬化になると、心臓に血液を送る血管(冠動脈)が狭くなってしまい、血液の流れが悪くなります。狭心症や心筋梗塞などの心臓病の大敵が高血圧!というのはこうしたことが理由であり、心臓病に限らず脳卒中などの血管障害にも同じことがいえるのです。

けれども、高血圧だけではありません。動脈硬化をより進展させる怖いものに、LDLコレステロールがあります。LDLコレステロールが必要以上に増えると、どのように動脈硬化が進行していくのでしょうか。

血液の中でコレステロールを運ぶLDLが増えると、血管壁に傷がつき、その傷から血管壁の中に入り込みます。血管壁の中に入り込んだLDLは酸化LDLに変わり、これが「悪玉コレステロール」といわれるものです。

酸化LDL(悪玉コレステロール)を取り込んだ細胞は血管壁に沈着し、軟らかく破れやすい「プラーク」と呼ばれるコブをつくります。このプラークがときに破れて血管内で固まり、血栓を作ってしまうのです。

この血栓が血管内の血流を阻害して、血管が詰まる状態になり、心筋梗塞や脳梗塞の原因となります。つまり血圧コントロールも大事ですが、このプラークの出現を防げば、こうした怖ろしい病気は防げるということ。ぜひ頭に入れて、LDLコレステロールを過剰に作らない食生活へと改善しましょう。

 

監修:川嶋 朗(かわしま・あきら)
神奈川歯科大学大学院統合医療学講座特任教授
総合内科専門医・医学博士

1957年、東京生まれ。北海道大学医学部卒業後、東京女子医科大学入局。東京女子医科大学大学院、ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院、東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック所長、東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科教授・東洋医学研究所付属クリニック自然医療部門医師を経て現職に。日本初の高等教育機関による統合医療教育を設立。漢方をはじめとするさまざまな代替・伝統医療を取り入れ、西洋医学と統合した医療を手がけている。西洋医学の専門は腎臓病、膠原病、高血圧など。統合医療SDM クリニック院長。

※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています


※本記事は川嶋朗 (監修)著の書籍『知らないと怖ろしいカラダの新常識100』(アチーブメント出版)から一部抜粋・編集しました。
PAGE TOP