あなたは自分の人生を思い通りに生きていますか?
人生の成功をつかんでいる人は、成功のための本当に重要なファクターを知っています。それは「強いメンタル」。コンサルティング申込倍率92.1倍を記録する、世界屈指のトップコンサルタントである著者による、揺るがない「最強メンタル」構築法をお伝えします。
※この記事は『神メンタル 「心が強い人」の人生は思い通り』(星 渉/KADOKAWA)からの抜粋です。
前の記事「目標達成に近づくための「チャンスを察知する能力」をチェック/神メンタル(7)」はこちら。
「カラーバス効果」を逆転させるだけで成功できる
あなたがたどり着きたい目的地に向かうに"ふさわしい自己評価"がないと、どうなってしまうのか?ここで1つ実験をしてみましょう。
【実験】
1. これから5秒間で、あなたの周りに「赤いもの」がいくつあるか数えてください。
2. 5秒経過したら、赤いものが何個あったかメモをしてください。それではスタート!さあ、5秒たちました......。
質問:赤いものは何個ありましたか? 〔 〕個
この文章からまだ目を離さないでください......。ここで、あらためて新しい質問をします。
質問:では、黄色いものは何個ありましたか? 〔 〕個
この文章から目を離さないで、黄色いものは何個あったか思い出してください。
黄色いものなんてなかった?
本当ですか?
それでは、顔を上げて黄色いものが何個あったか確認してみてください。いかがでしたでしょうか?おそらく、「赤いもの」を探していた時には、「黄色いもの」は「まったく目に入っていなかった」のではないでしょうか。黄色いものが何個あったかと聞かれて「そんなものはなかった」と思った人も、顔を上げて「黄色いもの」を探してみれば、いくつか見つかったはずです。
人間の脳は、○○が見える、暑い、風が吹いた、喉が渇いた、川の音が聞こえる......など、五感を使って1秒間におよそ2000個の情報を感知しています。では、それらの情報のうち、いったいいくつのことを「認識」することができていると思いますか?
とてもじゃないけど、2000個すべてを認識することはできません。要するに、すべてを認識することができないということは、あなたの脳は2000個の情報の中から、「これを認識すべきだ」というように、"認識すべき情報"を選んでいるわけです。
人が同時に認識できる情報の数は、個人差はあるにせよ、8~16個といわれています。脳の毛様体賦活系(もうようたいふかつけい)が(注:嗅覚のみ大脳辺縁系を経由するので例外)この全身で感じた情報の中から、どれを認識すべきかとふるいにかけているのです。
認識すべき情報を「赤いもの」とした場合、あなたは「赤いもの」しか見つけられないということです。では、日常において脳はどんな情報を「最優先に認識すべきだ」と判断しているのでしょうか。それはもちろん、「あなたにとって重要な情報」です。
たとえば「ロレックスの腕時計が欲しい」と思ったら、急に周りでロレックスを持っている人が増えた。急にロレックスの腕時計が目につくようになった......。当然、急にロレックスの時計を持っている人が増えたわけではなく、今までロレックスの腕時計はあなたにとって"重要な情報ではなかった"から認識していなかっただけで、持っている人はもともと自分の周りにはいたのです。あなたにもそんな経験はないでしょうか。
先ほどの実験でいう「黄色いもの」のように、すでにそこに存在していたのに重要な情報ではないから、認識する必要はないとしてあなたの脳がスルーしていたのです。このような現象を「カラーバス効果」といいます。
あなたが変わるための情報は「見えていない」?
では、これを「あなたの人生を変える」という話に置き換えた場合はどうでしょうか。あなたの脳にとって重要なことは、「死なないこと」です。脳は心理学的ホメオスタシスを働かせ、「死なないために」、変化することをとても嫌います。あなたの脳は、「あなた自身が思っている"今の自分"にふさわしい情報」だけを認識するのです。
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「あなたはどんな人ですか?」という質問をしました。そしてあなたの脳は、あなたが挙げた答えを、「自己評価」だと認識します。あなたの脳はあなたに「変化してほしくない」から、変化しないようにその自己評価にふさわしい情報を重要度を高くしてあなたに認識させます。
つまり、こういうことです。
「あなたに見えているものは、すべてあなたの自己評価に基づいている」
裏を返せば、もしあなたが何かを成し遂げたい、何かを実現したい、自分を変えたい、収入を上げたい、結婚したい、幸せになりたい......などと思っていても、それを実現するにふさわしい自己評価を持っていない限り、先ほどの実験の黄色いもののように、チャンスや機会を察知・認識することができないわけです。
これを心理的盲点「スコトーマ」といいます。スコトーマとはギリシャ語が語源で「盲点」という意味。眼科の医学用語でいう視覚の盲点のことです。これと同じで、心理作用によって、あるべき情報が"見えていない"状態をいいます。
実験で探した「赤いもの」が、「今の自己評価で見えている世界」。そして「黄色いもの」が、「新しい自分へ変わるために必要な情報」となるのです。
あなたが何かを成し遂げたり、自分を変えたりするために必要な情報は目の前にあります。ただ、それが見えていないだけなのです。
「手段とは"自動的に"目の前に現れる」とお話ししたのも、このメカニズムがあるからです。つまり、自己評価があなたの実現したいことにふさわしいものになっていなければ、そもそも、今の自分を変える方法を見つけられる状態にはないということになります。