「心」の使い方を知るとストレスが溜まらなくなる!?/これも修行のうち。

pixta_21234034_S.jpg人間関係、失敗、病気、心配事......生きていれば必ず起こるあらゆるツライことを「上手に消す」心の習慣とは? それは「これも修行のうち」と捉えてみること。

「不安」も「怒り」もすべて妄想だったと気づけるプチ修行の方法を本書『これも修行のうち。』から学びましょう。

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前の記事「意識、感覚、感情、思考、意欲。私たちの心の5つの領域を知る/これも修行のうち。(5)」はこちら。

 

ブッダの発見が「究極のメントレ」に早変わり!

このブッダの智慧から、現代に使える「苦しまない心の使い方の基本」を、ひとつ導くことができます。それは、意識を向ける先(対象)を、感覚・感情・思考・意欲のいずれかに"切り替える"ことで、不快な反応をリセット(解消)するという方法です。

たとえば、ストレスという、不快な"感情"で反応している状態を、カラダの"感覚"に意識を向けかえることで、リセットしてしまうというものです。

これはみな、経験的に知っていると思います。イライラ(感情)したときは、運動したり食べたりと、体の感覚を使うことで気分をスッキリさせますね。あれは"意識"を"感情"から"感覚"に切り替えることで、感情をリセットしているのです。

先ほど紹介した「シャワー禅」は、まさに「意識を感覚に向ける」練習です。意識を感覚に向けることで、イライラ(感情)やモヤモヤ(思考)をリセットする方法だったのです。

ブッダの教えが、究極のメンタルヘルスであり、心のトレーニングになるというのは、こうした「心の使い方」を明快に教えてくれるからです。

 

「心の使い方」がわかると、日頃のいろいろな悩みに応用が効きます。たとえば、次のような状況なら、こんな考え方をしてみます。

○最近、ストレスが溜まっている
〈考え方〉 これは不快な"感情"が続いている状態だ。とすれば意識を"感覚"に向けかえて、感情をリセットしよう。食べようか、音楽を聴こうか、週末に旅に出ようか。

○アタマがモヤモヤする。考えがまとまらない
⇒〈考え方〉 これはムダな"思考"が溜まった状態だ。となると、意識の先を"感覚"に切り替えて、思考を解消しよう。ひと休みして、散歩にでも出るか――。

○近ごろ元気が出ない。ヤル気が湧かない
⇒〈考え方〉 これは"意欲"が減退している状態だから、喜びの"感情"を上げるようにしよう。好きなことをやれという合図だな。

 

こうした発想ができるようになると、「心が(特定の反応に)引っかかる」ことが少なくなります。たとえば、車ならギアを入れ替えることで、滑らかに走り続けようとしますね。心も同じように、感覚・感情・思考・意欲をうまく使いながら、不快を溜め込まないようにするのです。

結果的に、ストレスが溜まらず、気持ちの切り替えが早くなり、人生を楽しむことが上手になり、作業のスピードも速くなり、周囲に振り回されずに、自分に大切なモノゴトのみに心を使える状態になるのです。

そんなにうまくいくかな、と思うあなたは、ぜひ本書の"プチ修行"の数々を、一つでも二つでも実践してみてください。大切なのは「心の使い方」を知っておくこと。それは、人生に確実にプラスをもたらしてくれます。

実際に、四十代半ばのある男性は、会社では管理職、家庭では年頃の子どもを二人抱えて、内外のプレッシャーに押し潰されそうになっていました。朝電車に乗るのも憂鬱で、「このまま線路に飛び込んだらどれだけラクか」と、ふと考えることさえあったといいます。

ところが、私の講座で"ブッダの方法"を実践し始めて半年もすると、「最近、快調すぎて怖いくらいです」と言うようになりました。今は仕事が進みすぎて、頼りにされることが多くなり、むしろ仕事が増えてしまったと苦笑するのです。

こうした画期的な変化は、「心の使い方」がわかってきたことによるものです。

 

「心を育てる」にも方法がある

かつてブッダは、周囲の人々にこう語っていました――。

「人生は"心の使い方"によって決まる。すべては、心から生まれ、心の影響を受け、心によって作られる。心に振り回されて終わるな。心の主(あるじ)≒心を巧みに操れる者)となりなさい」――ダンマパダ/ブッダ最後の旅・長部経典

たしかに、心こそが「人生を決める主役」です。とすれば、その「心の使い方」を知ることは、よりよい人生を生きる上で、一番大事なことのはずです。

残念だったのは、それを学べる機会がこれまで乏しかったこと。しかしここからは、「ブッダの心の使い方」に触れることができる以上、「あとは実践あるのみ」ということになります。

そこで今から、「心の五つの領域」をスタートラインにすえて、さまざまな悩みを上手に乗り越えていく方法を学んでいきましょう。特にテーマとなるのは、"意識"から発生する、次の四つの領域をどう活かすかです。

つまり、

○"感覚"をどう使って、ストレスやモヤモヤをすっきり解消するか。

○"感情"をどう活かして、マンネリ気味の毎日にメリハリをつけるか。

○"思考"をどう働かせて、悩みを増やさず、正しい判断をするか。

○"意欲"をどう盛り上げて、毎日を楽しく充実したものにしていくか。

これら四つのテーマに沿って、快適な毎日への修行法を考えていきましょう。ここから先は、かなり実践的に使える練習メニューを紹介していきます。「コレ、やってみよう」と思える練習メニューを見つけたら、手帳や携帯に書き込んで、毎日を「心の練習」の場に変えてしまってください。

また何か悩みが生じたときは、この本を「ハンドブック」にして、「この悩みには、どのプチ修行が効くだろう?」と振り返ってみてください。

本書を使い込めば使い込むほど、心の切り替え・考え方・ヤル気の出し方が、上手になっていくはずです。お寺に入ることだけが修行ではありません。心を育てる練習は、私たちの日常で今すぐできることなのです。ブッダの智慧を味方につけて、「毎日、快だらけ」の生活づくりを、今日からスタートいたしましょう。

 

次の記事「「反応」につかれたときは自分の「感覚」に帰ろう/これも修行のうち。(7)」はこちら。

草薙 龍瞬(くさなぎ・りゅうしゅん)

僧侶、興道の里代表。1969年、奈良県生まれ。中学中退後、16歳で家出・上京。放浪ののち、大検(高認)を経て東大法学部卒業。現在、インドで仏教徒とともに社会改善NGOと幼稚園を運営するほか、日本では宗派に属さず、実用的な仏教の「本質」を、仕事や人間関係、生き方全般にわたって伝える活動をしている。著書に『悩んで動けない人が一歩踏み出せる方法』(WAVE出版)、『独学でも東大に行けた超合理的勉強法』(サンマーク出版)、『消したくても消えない「雑念」がスーッと消える本』(大和出版)がある。 

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『これも修行のうち。』
草薙龍瞬/ KADOKAWA)

人間関係、失敗、病気、心配事......あらゆるツライことを「上手に消す」心の習慣があります。それは、「これも修行のうち」と捉えてみること。イヤなことは「自分を磨く」ツールになる。ベストセラー『反応しない練習』の著者が教える、日常生活、仕事で使えるプチ修行50!

関連データ

『これも修行のうち。』

 

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この記事は書籍『これも修行のうち。』からの抜粋です
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