65歳以上の10人に1人はうつ病を発症!? /"うつ"を寄せ付けない習慣(1)

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3つの要因が年齢とともに大きくなって発症

日本では65歳以上の10人に1人がかかっていると言われている、うつ病。「うつ病とは、日常生活に影響が及ぶほどの重くてつらい深い落ち込みや憂鬱で気が晴れない〝抑鬱気分〟が、一日中、ほとんど毎日続く病気です」と話すのは、日本のうつ病治療における第一人者の一人である、六番町メンタルクリニック所長の野村総一郎先生。その発症率は、男性より女性のほうが約2倍高いことがわかっています。私たち世代の人口が増えることで、うつ病になる人も増加傾向にあるとされています。

「うつ病を引き起こす要因は、脳の病的な変化などや服用している薬の副作用からくる身体的要因、取り巻く環境や経済的な問題などの社会的要因、ストレスになる出来事などの心理的要因の三つです。これらの要因が年齢とともに増大し、重なることでうつ病が起こると考えられています」(野村先生)。

身体的要因では、年齢とともに脳の機能が徐々に変化することなどがうつ病の発症に関係しています。また、子どもの独立などの環境の変化といった社会的要因を経験したことが、ストレス(心理的要因)となって、うつ病を引き起こすことがあります。
「うつ病が重症化すると、日常生活に支障をきたし、ときには自殺に至る危険性があるとされています」と、野村先生。

うつ病は命に関わることもある病気のため、適切な治療を受けることが大切です。心の不調を感じたら、下の「うつ病のチェックリスト」で点検してみましょう。

 

うつ病のチェックリスト

うつ病になると、心や体、行動にさまざまな変化が現れます。「年のせいかも...」などと思い込んでいる症状が、実はうつ病のサインということもあります。最近2週間の間に、以下のような症状がほとんど毎日起きていませんか。

1 憂鬱な気分
気持ちが沈み込んだり、ふさぎ込んだり、悲しんだりなど1日中ひどく憂鬱を感じる。

2 興味や喜びの喪失
趣味など普段していたことに興味が持てなくなり、1日中何をしても楽しめない。

3 食欲の変化
ひどく食欲が落ちている。または食欲があり過ぎる。食欲の影響で体重が減った、または増えた。

4 睡眠の変化
寝つきが悪かったり、夜中に目が覚めたり、朝早くに目覚めたりして、ぐっすり眠った
感じがしない。または眠り過ぎてしまう。

5 焦燥感・感覚の鈍化
イライラして気分が落ち着かない、じっとしていられない。または話し方や動作が普段より遅くなっている。

6 疲労感・気力の低下
ひどく疲れやすく、体が重い感じがしたり、だるくて仕方がない。気力がわかず、何もする気になれない。

7 自責感
「自分は価値のない人間だ」「人様に申し訳ない」など自分を責めてばかりいる。

8 思考力などの低下
物事に集中できない、考えがまとまらない、決断力が低下している。新聞やテレビなどを見ても内容が頭に入ってこない。

9 自殺企図など
自殺を繰り返し考える、実際に自殺を企てる。
※9だけは、最近2週間のうちに1回でもあれば該当します。

判 定

上の症状の中で、最近2週間以上にわたってほとんど毎日続いているものが、「1か2のどちらかあり、それに加えて3~9で4項目以上当てはまる場合、または「1 2の両方に加えて、3~9で3項目以上当てはまる場合」は、うつ病が疑われます。該当する数が少なくても、気になる症状がある場合は医療機関を受診することをおすすめします。

取材・文/宍戸幸夫、山口幸子 

 

次の記事「うつ病を治すために必要な3つの療法 /"うつ"を寄せ付けない習慣(2)」はこちら。

  

<教えてくれた人>
野村総一郎(のむら・そういちろう)先生
のむら・そういちろう 六番町メンタルクリニック所長、一般社団法人日本うつ病センター副理事長。慶應義塾大学医学部卒業。専門は精神科学、特にうつ病の診断・治療。カウンセリングや認知行動療法を中心とした治療に力を入れている。
この記事は『毎日が発見』2017年11月号に掲載の情報です。
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