礼と作法が最重要! 職場の飲み会は一種の「祭礼」と考えよう/発達障害の仕事術

pixta_14296084_S.jpg仕事や人間関係がうまくいかない...「もしかして自分は大人の発達障害なのでは?」と悩む人が増えています。しかし、その解決策を具体的に示した本は少ないのが現状です。

本書『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』は発達障害の当事者が、試行錯誤と度重なる失敗の末に身につけた「本当に役立つ」ライフハック集。うつでもコミュ障でも、必ず社会で生き延びていける術を教えます!

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前の記事「「挨拶」は人間関係でかなり使える「見えない通貨」だった!/発達障害の仕事術(27)」はこちら。

 

部族の祭礼「飲み会」は喋らず乗り切れ

飲み会とは、部族の祭礼である

職場の飲み会、好きですか。僕は大嫌いです。基本的に、気の置けない友人やプライベートで関係を持った人以外とお酒を飲むのが僕は好きではありません。そして、この本を手に取ってくださった皆さんの多くもそうだと思います。そもそも、アルコールというドラッグを信頼関係で結ばれた間柄でもない人間が集まって摂取するなんて、マトモなこととは思えません。酩酊を楽しむにはリラックスしたセッティングが一番重要ですし、その意味で言えば「職場の飲み会」なんて楽しいわけがないんです。

しかし、「飲み会」というコミュニケーションの儀礼は習慣として完全に社会に根付いています。ここから逃げ出すこともまた、難しい。そして、飲み会ほど人間が無意味に転ぶ機会もそう多くありません。

アルコールを摂取するということは多かれ少なかれ抑制を失うということですので、その状態でコミュニケーションをとるというのは人生の飲酒運転です。危険がたくさんあります。ヒヤリハットで済めばいいですが、正面衝突も多発します。そして飲み会というのはまさに部族の祭礼ですので、部族ごとにルールが全く違います。つまり、ルールを飲み込むまで迂闊に動くな、無難に徹しろということです。

新卒ではほぼ確実に、中途採用でも結構な確率で「歓迎会」をやってもらうと思いますが、あれは本当に危険な集まりです。要するに、新入りに酒を飲ませて本性を見定め、全員で値踏みする会ですからね。あんな邪悪な会はそうそうない。

 

飲み会で退屈しない方法

飲み会においては「正しい作法をやり切る」に勝る選択はないでしょう。部族の作法がまだわからないなら、とりあえず一般的に間違いない振る舞いをしておく必要があります。例えば、あなたがド新人なら小上がりに上がるときは全員分の靴を揃えるなどのちょっとした気遣いでポイントを稼ぐなどいいですね。

料理が来たら率先して取り分けるなどもいいです。これも意外と慣れがないと動けません。若い人は就職前に練習しておいても損はないくらいです。新人がスッとスマートに料理を全員分取り分けたら、結構な割合の人が「なかなかできるなぁ」と感じると思います。年齢にかかわらず、この辺はやって損はないですね。逆に、先輩に料理を取り分けさせながら気持ち良く飲んでいた場合などは、あまりよろしくないことになるでしょう。なりました。大事なことだから2回言います。なりました。

そして、場の一番偉い人から可能な限り順番にお酌をしに行くのも大事です。これは、本当に気にする人は気にします。「あいつは新人歓迎会で俺に酌をしに来なかった」と数年ごしにお怒りの方と遭遇したときは、本当にこの世の終わりみたいなやつだなと思いましたが、これも見えない通貨です。払っておくに越したことはありません。これを可能な限りやろうと思っていれば、飲み会で退屈する暇はないでしょう。

 

絶対に、「無礼講」は存在しない

そして、我々発達障害の人間にとって最も重要なこと。それは、「喋るな、喋らせろ」ということです。もちろん、質問をされたり話題を振られたりしたときは返す必要はあります。しかし、それもなるべく簡潔を旨としたほうがいいでしょう。

我々は往々にして極端に喋れない、あるいは延々と喋り続ける、衝動性に任せて喋るべきではないことを喋る、そういうことが起こりがちです。しかも、アルコールまで入っています。飲み会の解放的な雰囲気もあるかもしれません。事故が起こる要因が全て揃っています。

地球上に無礼講の場など存在しません。UFOが夜空を舞い、ビッグフットが町を駆け回ったとしても、無礼講の場は存在しません。職場の飲み会においては素の自分を出していいタイミングなど永遠にないと考えておくのが、基本的には正解です。職場の飲み会で素の自分を何の不安もなく出せる立場の方がこの本を読んでいるとも思えませんし......。「無礼講」の定義は部族によって違い、「祭りの作法」のようなものです。観察して理解しましょう。

飲み会の場は、人間同士が値踏みし合う場だと認識しておくのが正解です。逆に、稼げる評価はここで稼いでおきましょう。飲み会の話題で鉄板なのは、「誰かにお礼を言う話」と「誰かを賞賛する話」です。量を飲む必要はありませんが、美味そうに飲み、食べることを心がけましょう。楽しいフリをしましょう。そして、飲み会が終わったら「本日はありがとうございました。とても楽しかったです」と言いましょう。

飲み会の帰りは「本当に疲れた」という気持ちでいられれば安心、くらいの感覚でいいです。逆に、「今日は楽しく喋ったなぁ」という感想が出てきたら、もしかすると少し危ないかもしれません。

 

【まとめ】
・飲み会では喋るな、喋らせろ、褒めろ
・無礼講は祭りの作法
・「疲れた飲み会」こそが正解

 

次の記事「コミュニケーションの基本「雑談」。とにかく「同意」で通信回路を開こう!/発達障害の仕事術(29)」はこちら。


借金玉(しゃっきんだま)

1985年生まれ。診断はADHD(注意欠陥多動性障害)の発達障害者。幼少期から社会適応が全くできず、登校拒否落第寸前などを繰り返しつつギリギリ高校までは卒業。色々ありながらも早稲田大学を卒業した後、何かの間違いでとてもきちんとした金融機関に就職。全く仕事ができず逃走の後、一発逆転を狙って起業。一時は調子に乗るも昇った角度で落ちる大失敗。その後は1年かけて「うつの底」から這い出し、現在は営業マンとして働く。

『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』

(借金玉/KADOKAWA)

社会生活がうまくいかず苦しむ「大人の発達障害者」が増えていると言われる現代日本。発達障害によって30歳を前に人生をほぼ破たんさせかけた著者が、試行錯誤で編み出した「発達障害者のため」の今日から使えるライフハックを多数紹介! 仕事や人間関係がうまくいかない全ての人のための「日本一意識が低い」自己啓発書です。

この記事は書籍『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』からの抜粋です
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