常備菜から汁物まで。冬の体を守る「れんこん」レシピの大特集♪【まとめ】

秋から冬にかけて旬を迎えるれんこんは、胃や腸といった消化器、鼻やのどの呼吸器など、体を守ってくれる成分をたくさん含んでいます。食物繊維が豊富で腸を整え、免疫力もアップ。熱に強いビタミンCも含むので、疲労回復や風邪の予防にも有効です。管理栄養士で料理研究家の村上祥子さんに「冬の体を守るれんこんレシピ」を教えていただきました。

うま味を吸ったホクホクのれんこんがごちそうです。

「れんこん入りポトフ」
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1人分426kcal/塩分1.4g

材料(2人分)
鶏もも肉...1枚(300g)
(A)塩...小さじ4
(A)砂糖...小さじ4
れんこん...約250g
にんじん...小1本
いんげん...100g
長ねぎの白い部分...2本分
ローリエ...2枚
水...3L
マスタード(好みで)...適量

作り方
Aを合わせ、鶏肉にまんべんなくまぶし、冷蔵庫で一晩寝かせる。

② 肉の調味料を洗い流し、たっぷりの水(分量外)に15分ほどつけて塩抜きする。

③ れんこん、にんじんは四つに切る。長ねぎは二つに切る。鶏肉は半分に切る。

④ 鍋に②とれんこん、にんじん、ローリエを入れて水を注ぎ、ふたはしないで火にかける。沸騰したらアクをすくい、落としぶただけをして中火で30分ほど煮込む。途中でアクが出たら、こまめにすくって除く。

⑤ 肉がやわらかくなったら、いんげん、長ねぎを加え、さらに10分ほど煮込む。器に盛り、マスタードを添える。

サックリした食感と、じっくり焼いたれんこんのおいしさが味わえます。

「れんこんステーキ」
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1人分176kcal/塩分0.6g

材料(2人分)
れんこん...150g
ベーコン(薄切り)...2枚
オリーブ油...大さじ1
塩、こしょう...各少々
パセリのみじん切り...少々

作り方
① れんこんは四つの輪切りにする。ベーコンは二つに切る。

② フライパンを温め、オリーブ油を入れてれんこんを並べ、中火よりやや弱い火加減で3~4分かけて火を通す。

③ 下側に焼き色が付いたら表面も焼く。脇にベーコンを並べ、弱火にして3~4分でベーコンは引き上げる。れんこんはサッと竹串が通るまで焼く。

④ ③をキッチンペーパーにのせて軽く油を取り、器に盛って塩、こしょう、パセリをふる。

詳しい記事はこちら:寒い日のごちそうです。栄養たっぷり「旬のれんこん」レシピ2選

アクにも有効成分あり!れんこんの栄養と扱い方

粘膜を強化する

れんこんは胃粘膜を潤して胃壁を守り、鼻やのどの粘膜も強化します。

昔から民間薬としてせき止めに利用されてきました。

また漢方では実や種、花や葉も薬用に用いられています。

タンニンの殺菌効果

れんこんを切ったまま放置しておくと黒く変色するのは、ポリフェノールの一種タンニンによるもの。

抗酸化作用や殺菌効果があり、食中毒予防や抗生物質が効きにくい細菌やウイルスなどの繁殖を防ぐ働きもあります。

不溶性食物繊維で腸が元気

れんこんに豊富に含まれる不溶性食物繊維は、水分を吸収して膨らむので腸の蠕動運動を促進して便秘解消や肥満防止に。

また有害物質を体外に排出して、血糖値やコレステロール値が上がるのを予防します。

●ビタミンCで免疫強化

レモンに匹敵するほどビタミンCの含有量は豊富です。

免疫力をアップしてストレスに負けない体作りに。

れんこんのビタミンCは、でんぷんにガードされていて加熱しても損失が少ないのも特徴です。

栄養のためにはなるべく酢水につけないで!

れんこんを切ると黒くなるのは、タンニンが空気に触れて変色するからです。

そこで色止めのために酢水につけるのですが、タンニンだけでなく、ビタミンCなどの有効成分は水につけると失われていきます。

白さを生かして仕上げたい調理のときは、サッと短時間だけ酢水ですすぐ程度にするとよいでしょう。

それ以外では酢水につけるのは不要。

タンニンなどのアクに含まれる成分には健康成分も多いのです。

なるべく切ってすぐに調理すれば変色も最小限に抑えられます。

れんこんの選び方

節の部分がカットされて断面が見えているものは、空気に触れて変色している場合があります。

なるべく節が残っているものを選ぶのがおすすめです。

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れんこんは切り方によって食感が変わります。

薄い輪切りならシャキシャキとした歯応えになり、乱切りや厚切りで煮込むとホクホクに。

繊維に沿って縦に切ると歯応えが残り、繊維を断って厚めに切るとやわらかい食感になります。

蓮餅のようにすりおろして使うともっちり感も楽しめます。

詳しい記事はこちら:栄養は? 選び方は? 実はアクにも有効成分がある、旬の「れんこん」活用術

作っておくと便利 れんこん常備菜

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練りごまと炒りごまのダブル使い

「れんこんのごま煮」

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1人分52kcal/塩分0.7g

材料(4人分)
れんこん...100g
(A)砂糖...大さじ1
(A)しょうゆ...大さじ1
練りごま(白)...大さじ1
炒りごま(白)...大さじ1

作り方
① れんこんは十字に4等分して、薄いイチョウ切りにする。

② 耐熱ボウルに①を入れ、Aを加えて混ぜ、ふんわりとラップをして電子レンジ600Wで2分加熱する。

③ 取り出して練りごまを加えて全体に絡め、炒りごまをふり入れて混ぜる。

ご飯のおともにぴったりです
「れんこんそぼろ」

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1人分80kcal/塩分0.4g

材料(4人分)
れんこん...100g
にんじん...50g
油揚げ...1枚
(A)酒...大さじ2
(A)しょうゆ...大さじ1
(A)砂糖...大さじ1
(A)ごま油...小さじ1
(A)赤とうがらしの小口切り...2~3個

作り方
① れんこん、にんじん、油揚げは小さめの乱切りにして、フードプロセッサーにかけてみじん切りにする。※包丁でみじん切りにしてもよい。

② キッチンペーパーに①を包んで耐熱ボウルに入れ、ラップをして電子レンジ600Wで2分加熱し、ざるに上げる。

③ ②の耐熱ボウルの水けをふき取り、Aを入れて混ぜ、②を戻して絡め、ふんわりとラップをかけ、電子レンジで2分加熱する。取り出して混ぜる。

詳しい記事はこちら:作っておくと便利です。冬の体を守る「れんこんの常備菜」4選

《毎日れんこんレシピ》

れんこんサラダ

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1人分158kcal/塩分1.0g
材料(2人分)
れんこん...100g
ソフトサラミ(薄切り)...2枚
クレソン...4本
(A)サラダ油...大さじ1
(A)酢...大さじ1
(A)塩...小さじ1/4
(A)砂糖...小さじ1
(A)こしょう...少々

作り方
① れんこんは2~3mm幅の薄切りにし、酢水(分量外/水1カップに酢大さじ1)にサッとくぐらせ、ざるに上げる。

② キッチンペーパーに①を包み、耐熱ボウルに入れ、ラップはかけずに電子レンジ600Wで2分加熱する。

Aを合わせ、せん切りにしたサラミ、葉先を摘み取ったクレソンと②を混ぜる。

チーズサラダ

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1人分66kcal/塩分0.3g

材料(2人分)
れんこん...60g
(A)粉チーズ...小さじ2
(A)酢...小さじ2
(A)マヨネーズ...大さじ1
(A)塩、こしょう...各少々
パセリのみじん切り...少々

作り方
① れんこんは乱切りにし、酢水(分量外/水1カップに酢大さじ1)でサッとゆでて、ざるに上げる。

Aを合わせ、①を加えてあえ、パセリをふる。

詳しい記事はこちら:シャキシャキ感がたまらない!サッと作れる「れんこんのサラダ」レシピ

香ばしくてもっちり。アジアンテイストの蓮餅です
「蓮餅」

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1人分112kcal/塩分1.0g

材料(2人分 4個)
れんこん...200g
片栗粉...大さじ1
塩...少々
ザーサイ(味付き)...小さじ4
サラダ油...小さじ2
パクチー...少々
豆板醤...少々

作り方
① れんこんは四つに切り、フードプロセッサーにかけるか、目の粗いおろし金ですりおろし、ざるにのせて水けをきる。上から軽く押さえて水けを絞り、ボウルに移す。こして出た汁は別にしておく。

② ①のすりおろしに片栗粉、塩を加えて箸で混ぜる。固いときはこしとった汁を加えて調整する。

③ ②の生地を4等分し、ザク切りにしたザーサイを小さじ1ずつのせて包む。

④ フライパンを温め、サラダ油を入れ、③を並べたらふたをして弱火で3分焼く。裏側も3分焼く。器に盛り、パクチーと豆板醤を添える。

詳しい記事はこちら:香ばしくてもっちりな蓮餅も♪ ちょい食べ「れんこん」レシピ2選

病みつきのおいしさ! パスタに混ぜても美味です

「れんこんペペロンチーノ」
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1人分112kcal/塩分0.6g

材料(2人分)
れんこん...200g
(A)赤とうがらしのみじん切り...小さじ1/2
(A)塩...小さじ1/5
(A)こしょう...少々
(A)にんにくのみじん切り...1片分
(A)オリーブ油...大さじ1
こしょう、タバスコ(好みで)...各少々

作り方
① れんこんはフードプロセッサーか包丁で粗みじん切りにする。

② 耐熱ボウルにAを入れて混ぜたら①を加えて混ぜる。ふんわりとラップをして、電子レンジ600Wで4分加熱する。

③ 取り出して、好みでこしょう、タバスコをふって混ぜる。

ご飯のおかずにぴったり。箸が止まりません
「れんこんと豚肉のオニオンソテー」

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1人分295kcal/塩分1.0g

材料(2人分)
玉ねぎ...1/4個
(A)しょうゆ...大さじ1
(A)砂糖...大さじ1
(A)酒...大さじ1
れんこん...100g
豚もも薄切り肉...100g
サラダ油...大さじ1

作り方
① 玉ねぎを粗みじん切りにしてボウルに入れ、Aを加えて混ぜておく。

② れんこんは太い場合は縦2等分にし、薄切りにする。豚肉は3cm長さに切る。

③ フライパンを温め、サラダ油を入れ、豚肉を加えて中火でほぐしながら炒め、両面に軽く焼き色がついたら①のボウルに入れる。

④ ③のフライパンにれんこんを並べ入れ、両面中火で焼き、③のボウルに加えて全体を混ぜる。

詳しい記事はこちら:パスタに混ぜても美味しい!「れんこんペペロンチーノ」レシピ

汁物にれんこんを使うと自然なとろみがついてのどごしがよくなるので、介護食や離乳食にもおすすめです。

「れんこんのすり流し汁」

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1人分30kcal/塩分0.7g

材料(2人分)
れんこん...100g
熱湯...300ml
削り節...小2袋(5g)
(A)塩...小さじ1/2
(A)うす口しょうゆ...小さじ1/2
(A)酒...小さじ1

作り方
① れんこんは3cm角に切る。

② ボウルに削り節を入れ、熱湯を注ぎ、10秒おいてこす。

③ ミキサーに②を入れて①を加え、滑らかになるまで回す。

④ 鍋に移し、静かに混ぜながら火を通し、Aで調味して火を止める。

「れんこん豚汁」

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1人分142kcal/塩分1.1g

材料(2人分)
れんこん...100g
にんじん...50g
里いも...50g
豚バラ肉(薄切り)...40g
水...1と1/2カップ
液体みそ...小さじ4
長ねぎの青い部分...3cm
※液体みそがない場合、みそ大さじ1+和風だし小さじ1/4

作り方
① れんこんとにんじんは3mm幅のイチョウ切り、里いもは5mm幅のイチョウまたは半月切り、豚バラ肉は1cm幅に切る。

② 鍋に水を注ぎ、①を加えて火にかける。煮立ったらアクを除き、中火で里いもがやわらかくなるまで煮てみそを加え、火を止める。器に盛り、小口切りにしたねぎを散らす。

詳しい記事はこちら:自然なとろみでのどごしがいい!「れんこんの汁物」レシピ

【まとめ読み】特集「冬の体を守るれんこんレシピ20」記事リスト

取材・文/石井美佐 撮影/スタジオCOM(中野正景・江口 拓)

 

<教えてくれた人>

管理栄養士 料理研究家
村上祥子(むらかみ・さちこ)さん

福岡県生まれ。公立大学法人福岡女子大学国際文理学部・食・健康学科客員教授。同大学内「村上祥子料理研究資料文庫」では50万点の資料が一般公開されている。

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(村上祥子/女子栄養大学出版部)

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この記事は『毎日が発見』2020年11月号に掲載の情報です。

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