毎年1000人以上が「凍死」している。室内にいても起こりうる「低体温症」の危険なラインとは

低体温症に特に気を付けるべき人

このようにして低体温症によって亡くなる方の大半が65歳以上の高齢者で、80歳以上でその数は急増します。

高齢者の場合、体温調節機能の低下や皮下脂肪・筋肉量の低下、食事量や運動量の低下などから、低体温症になりやすいと考えられております。

また乳幼児についても、体温調節機能が成熟していないことなどから、高齢者と同じように低体温症に陥(おちい)りやすいリスクがあります。

低体温症の予防のためには、次のようなことをするのがおすすめです。

・エアコンやヒーターを使い、室温を20℃以下にならないように調節する
・身体が冷えないように、ネックウォーマーや帽子、靴下を活用する
・汗をかいても保温効果が高い衣類を選ぶ
・温かい食べ物や飲み物を適宜摂取する

といったような低体温にならないようにする工夫や環境作りが重要です。

また、高齢者や乳幼児のいる家庭では、家族が低体温になっていないかどうかを適宜チェックすることをおすすめします。

毎年1000人以上が「凍死」している。室内にいても起こりうる「低体温症」の危険なラインとは igakulifehack03_01.jpg

参考文献:e-Stat「不慮の事故による死因(三桁基本分類)別にみた年次別死亡数及び死亡率(人口10万対)」
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003411674

 

おると
整形外科専門医。診療にあたりながら、自身の転職経験をもとにしたブログ「フリドク」やX(旧Twitter)を2018年より開始。正しい医療をわかりやすく発信するスタイルや世間のネットニュースについての専門医目線での解説、ニセ医療解説などが大きな反響を呼び、現在12万人を超えるフォロワーを有する(2024年2月時点)

※本記事はおると著の書籍『整形外科医が教える 家族の身体を守る医学的ライフハック』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。
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