【本作を第1回から読む】7時間半睡眠は7時間半寝ていない!? 正しく理解しておきたい「睡眠の真実」
『中高年が朝までぐっすり眠れる方法』 (加藤俊徳/アチーブメント出版)第5回【全5回】
朝までぐっすり眠れないのは年齢のせい...。そう決めつけていませんか? あなたが眠れない本当の原因は、意外なところにあるかもしれません。脳内科医で「脳の学校」代表の加藤俊徳氏は、原因と対策がハッキリすれば睡眠が変わり、そこから身体全体が変わると言います。そんな加藤氏の著書『中高年が朝までぐっすり眠れる方法』から、目からウロコが落ちそうな驚きのエピソードを紹介します。
※本記事は加藤俊徳著の書籍『中高年が朝までぐっすり眠れる方法』(アチーブメント出版)から一部抜粋・編集しました。
医師にもかかわらず睡眠障害に気がつかなかった私
睡眠障害は、自覚することさえできれば解決します。それを私自身が証明しています。睡眠障害を克服した私は、自分が別人になったように感じています。「アラ還」という年齢になって、人生が明るく照らされたように感じました。そして、そんな喜びと同時に、人生最大の後悔も覚えました。「なぜ今まで、もっと長く寝なかったのか」「もっと正しい睡眠習慣を継続してこなかったのか」と。
自分が睡眠中に閉塞性無呼吸の症状があることに気づいてもなお、それを長い間放置して、積極的に改善せずにいました。「睡眠時間が短くても仕事はできる」「毎日忙しくて、睡眠時間を増やすなんて無理」「寝不足なんだろうけれど、みんなそうやって生活しているはず」と、一日一日をなんとか過ごせればいいという短期的な考えで問題を先送りにしていたのです。まさに医者の不養生でした。
睡眠に対する意識や知識の不足を自覚し、睡眠の国際学会に積極的に参加して最先端の睡眠学に触れるようにしています。それでも自分の無呼吸の程度を軽視し、しっかり精密検査をするまでには時間がかかりました。今は簡易検査だけでなく脳波計測を伴う精密な睡眠時ポリグラフ検査が在宅で可能にもかかわらず、です。
睡眠の問題は脳に短期的かつ長期的にダメージを与えます。今の私は睡眠時間を削って仕事をすることはありません。睡眠時間を削って得るものは何もないからです。むしろ失うものしかないと身をもって知っています。