致死率は約4.6倍、およそ4分の1が未使用...チャイルドシートの「正しい使い方」と「ポイント」

『整形外科医が教える 家族の身体を守る医学的ライフハック』 (おると/KADOKAWA)第1回【全11回】

マッサージの効果から湿布の貼り方、薬の飲み方まで、私たちの日常には多くの医学知識が必要とされています。しかし、それらを正しく実践できている人は意外と少ないかもしれません。X(旧Twitter)で医療情報を発信し、フォロワー数12万(2024年2月時点)を有する話題の整形外科専門医・おると先生による『整形外科医が教える 家族の身体を守る医学的ライフハック』は、勘違いしがちな日常の中の医学知識を、丁寧に解説してくれます。自分の習慣は問題がないのか、一度チェックしてみましょう。

※本記事はおると著の書籍『整形外科医が教える 家族の身体を守る医学的ライフハック』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。


致死率は約4.6倍、およそ4分の1が未使用...チャイルドシートの「正しい使い方」と「ポイント」 整形外科医が教える家族の身体を守る医学的ライフハック_記事1アイキャッチ.jpg

チャイルドシートやシートベルトをきちんと使おう

<Check>
・子どもの命を守るため、チャイルドシートは絶対必須
・後部座席のシートベルト着用率は一般道路で5割弱。サボらずしっかり装着しよう

チャイルドシートは事故から幼児を守るために欠かせない装備です。しかし、その重要性はみんなに常識として認知されているとはいい難い状況です。

警察庁とJAF(一般社団法人日本自動車連盟)が、令和4年に合同で実施したチャイルドシート使用状況の全国調査によると、全国平均のチャイルドシート使用率は74.5%となっています。いい換えれば、まだ、幼児を乗せている車の約4分の1がチャイルドシートを使っていないのです。

チャイルドシートを使用せずに、6歳未満の幼児を車に乗せて運転することは、道路交通法(第71条の3第3項)違反になります。しかし、単に法律違反であるだけではなく、それによって子どもの命を大きな危険にさらしていることはいうまでもありません。チャイルドシートを適正に使用しているかしていないかによって、事故が起こったときの致死率に大きな差が生じます。チャイルドシートをしていない場合、チャイルドシートを適正使用していた場合に比べて、致死率は約4.6倍にもなります。

万が一事故が起こったときに、幼児が座席から飛び出し、天井やフロントガラスに叩きつけられるといった恐ろしい事態が起こりうるのです。

また、チャイルドシートを使用する際は、適切な使い方をすることも重要です。正しくセッティングされていないと、もし交通事故が実際に起こったとき、チャイルドシートが座席から分離してしまったり、子どもがチャイルドシートから飛び出してしまったりして、「子どもをケガから守る」という本来のチャイルドシートの役目を果たせない恐れがあります。

チャイルドシートの正しい使い方とそのポイントを挙げておきましょう。

・子どもの成長に合わせ、体格に合ったものを使用する
・なるべく後部座席で使用する
・座席に確実に固定する

 

おると
整形外科専門医。診療にあたりながら、自身の転職経験をもとにしたブログ「フリドク」やX(旧Twitter)を2018年より開始。正しい医療をわかりやすく発信するスタイルや世間のネットニュースについての専門医目線での解説、ニセ医療解説などが大きな反響を呼び、現在12万人を超えるフォロワーを有する(2024年2月時点)

※本記事はおると著の書籍『整形外科医が教える 家族の身体を守る医学的ライフハック』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。
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