脳の老化リスクを減少させる「がんばらない脳活習慣」【脳科学者の西剛志さんに聞く】

他者とコミュニケーションを取ることは、脳にさまざまな影響を与えるもの。
上手な人付き合いと、脳の活性化を両立するテクニックをご紹介します。

【前回】脳科学者の西さんに聞きました「いつもの暮らしに取り入れやすい」脳にいい生活習慣

この記事は月刊誌『毎日が発見』2023年8月号に掲載の情報です。

(1)会話に擬音語を入れる

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楽しい擬音語で心も体もワクワク
「擬音語(音を言葉で表現したもの)や擬態語は、脳に良い言葉の一つ。『トントン』『スイスイ』『す〜っ』『シャキッ』といった言葉をふんだんに会話に取り入れてみてください」(西さん)

マイナスな擬音語はNG
「足がガクガクする」「腰がギシギシする」などマイナス印象の言葉は逆効果。症状が悪化する原因に。

(2)「 ありがとう」を口グセに

脳の老化リスクを減少させる「がんばらない脳活習慣」【脳科学者の西剛志さんに聞く】 2308_P024_02.jpg老人性うつや認知障害のリスクを軽減

「ポジティブな言葉を多用することも、脳の老化リスクを減らします。とくに使いたい言葉は『ありがとう』。心の底から感謝を込めて『ありがとう』と言うことで、脳が活性化し、体と心に良い影響をもたらします」(西さん)

心の中で唱えるだけでもOK

実際に声に出さなくても、心の中で唱えるだけでも効果アリ。ポジティブ思考になり、性格も前向きに変えることができます。

(3)年の離れた友人を作る

脳の老化リスクを減少させる「がんばらない脳活習慣」【脳科学者の西剛志さんに聞く】 2308_P024_03.jpgSNSや趣味を通じて友情を育んで
「年代や性別が違う人と友情を築くことは、脳に良い刺激を与えます。相手がたとえ20歳以上年下であっても、対等な関係を築くのが、友情を上手に育むコツ。インターネットや趣味の集会などを通じて、年の離れた人や異性の中で、友達になれる人を探してみましょう」(西さん)

異世代の友人を作るコツ
話題を豊富に用意する

愚痴ばかり言わない

LINEなどで、気軽にやりとりする

笑顔を絶やさない

(4)相手の話にうなずく

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話に共感すると脳が元気になる
「『会話』は脳の活性に有意義な手段。ただし、自分の話ばかりで相手の話を聞かない人は脳の老化が進んでしまっています。さらに脳を活性化するのが『うなずき』。相手の言葉を聞き気持ちを読んでいないとできないことなので、相手をよく見て、適切にうなずくようにしましょう」(西さん)

人間関係もスムーズに
聞き手がうなずくと、話し手の脳も活性化します。同時に、聞き手に対する印象もアップ。人間関係の活性化にも役立ちます。

人付き合いの悪いストレスを消す方法

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脳に悪影響を与える「悪いストレス」は、意外と簡単なことで解消できます。

怒りが消えないときは...
意識して反対の手を使う

普段使うことのない利き手ではない方の手を使うと、自制心が働き、怒りの気持ちを抑えることができます。

執着しているときは...
普段は行かない場所に行く

場所が変わると、自分を客観視する前頭前野が活性化。冷静になり、執着心や嫉妬心を消すことができます。

不安を感じたら...
ノートに書き出す

スッキリするまでノートに書き出すことで、不安の原因が特定でき、不安そのものを消すことができます。

構成・取材・文/和栗 恵 イラスト/とつかりょうこ

 

<教えてくれた人>

脳科学者
西 剛志(にし・たけゆき)さん

工学博士、分子生物学者。東京工業大学大学院非常勤講師や特許庁を経て、2008年から成功する人とそうでない人の違いを研究する会社を設立。7冊の著書は海外を含め、シリーズ累計31万部を突破。

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『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』

(西 剛志/アスコム)

今回紹介したテクニックのほか、家庭で簡単に行うことができる脳活テクニックがずらり。認知症予防や健康作りに役立ちます。


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【月刊誌「毎日が発見」2023年8月号(2023年7月28日発行)の内容は?】

  • 血管、骨、筋肉と脳が元気になる!

    鎌田實式 ズボラ体操

  • 認知症、物忘れを防ぐ

    がんばらない 新「脳活習慣」

  • 疲労、冷え、食欲不振 夏の不調に効く

    「フルーツ酢」を作りましょう

  • 村上祥子さんの健康レシピ

    レタス丸ごと使い切り

  • 動きづらさにどう対処する?

    パーキンソン病の予防法と治療法

この記事は『毎日が発見』2023年8月号に掲載の情報です。
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