更年期以降の外陰部トラブルには、女性ホルモンの投与を/外陰部のトラブル

かゆみや痛み、腫れなど、外陰部(女性性器)のトラブルは、放置すると重大な病気につながることがあります。その反面、清潔を保ったり、日常生活を見直したりすることで、十分に予防できる病気や症状も少なくありません。まずは、外陰部についての正しい知識を身につけ、トラブルが起きているのかどうか判断できることが大切です。

自分の体を守るために知っておきたい外陰部の病気への対応や予防法を、セントソフィアクリニック婦人科院長の伊藤 知華子先生にお伺いしました。

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減少した女性ホルモンを補い、不快な症状を軽減!

萎縮性膣炎の治療では、ホルモン補充療法によるエストロゲン(女性ホルモン)の投与が有効です 。 一時的に膣内にエストロゲン膣錠を投与することもあります。また、細菌などによる感染症が疑われる場合は、抗生物質入りの膣剤を使用することもあります。

「萎縮性膣炎は、閉経後の女性ホルモンの低下によって起こります。閉経前の月経不順の時期から症状が起こる人もいれば、閉経から1年後 ぐらいに体内のエストロゲンが欠落して発症する人まで、タイミングは人それぞれです。最も効果的な治療は、不足した女性ホルモンの補充です。中でも膣に直接投与する膣剤がよく効きます。全身投与も有効です が、女性ホルモンを長期間投与すると、血栓症など動脈硬化のリスクがあがるため、処方には慎重さが必要です」(伊藤先生)

ホルモン補充療法は、治療を受けることで悪化するような病気を持った人は、原則受けることができません。具体的には

●乳がん、子宮がんの人
●血栓症の治療薬を処方されている人
●脳卒中や心筋梗塞を起こしたことがある人

の3つになります。また、子宮筋腫や高血圧、肝機能障害がある場合には、投与方法や投与量を工夫しながら行います。既往病がある人は、必ず事前に医師に伝えましょう。

「更年期前後で萎縮性膣炎が心配という人には、エクオール(※)というサプリメントもおすすめです。エクオールは、エストロゲンとよく似た働きをする成分で、持続して摂取することで、萎縮性膣炎や更年期症状などの軽減に期待が持てます。近年は、萎縮性膣炎が改善するといった報告も増えています。体への安全性も確かなので、予防の一つとして摂取してみるのもいいでしょう」(伊藤先生)

※エクオールとは、大豆イソフラボンの成分の一つであるダイゼインから作られる成分。体内でエストロゲン様の効果を発揮します。

 
萎縮性膣炎の改善には、早めの治療が欠かせません。「年をとったから...」と諦めるのではなく、思い当たる症状があったら婦人科を受診しましょう。

 

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取材・文/寳田真由美

伊藤 知華子(いとう・ちかこ)先生

セントソフィアクリニック婦人科院長、医学博士。名古屋第二赤十字病院産婦人科、成田病院勤務を経て、1997年米国サウスカロライナ医科大学生殖遺伝学教室留学、1999年成田病院帰任、2008年より現職。専門は婦人科。生殖医療専門医。

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