良い眠りの人のポリグラフとは?
実際に計測した睡眠ポリグラフの結果から、良い眠りを見てみましょう。
上にあるグラフは、45歳の女性の例です。上段は血液中の酸素飽和度で、無呼吸が起きると数値が下がります。下段は睡眠の深さを示します。横軸は検査開始時(0時40分)から、朝8時40分に覚醒するまでの時間を表しています。
総記録時間は8時間、中途覚醒時間の31分間を除いた睡眠時間は7.3時間、睡眠効率91.1%となっています。血中酸素飽和度は平均96.5%、最低値は91%でした。
このグラフでは入眠潜時は12分、その後N2からN3へと移行します。徐波睡眠は全体の24.9%を示し、朝7時すぎても熟睡できることがわかります。
ちなみに、睡眠時の無呼吸指数は1時間あたり1.6回。正常範囲が5回以内なので病的な無呼吸はなく、しっかりと質の良い睡眠がとれている状態ということができます。
このように終夜にわたる睡眠ポリグラフ検査によって、血液中の酸素飽和度が低下するほどの無呼吸がどのぐらいの頻度で、いつ起こっているかがしっかり計測できます。毎日、まったく同じ良い睡眠が得られているとはかぎらないため、本人への睡眠に関する問診で睡眠障害の訴えが強い場合は、2回以上の検査が有効です。