7時間半睡眠は7時間半寝ていない!? 睡眠に関する「真実」を脳内科医が解説

『中高年が朝までぐっすり眠れる方法』 (加藤俊徳/アチーブメント出版)第1回【全5回】

朝までぐっすり眠れないのは年齢のせい...。そう決めつけていませんか? あなたが眠れない本当の原因は、意外なところにあるかもしれません。脳内科医で「脳の学校」代表の加藤俊徳氏は、原因と対策がハッキリすれば睡眠が変わり、そこから身体全体が変わると言います。そんな加藤氏の著書『中高年が朝までぐっすり眠れる方法』から、目からウロコが落ちそうな驚きのエピソードを紹介します。

※本記事は加藤俊徳著の書籍『中高年が朝までぐっすり眠れる方法』(アチーブメント出版)から一部抜粋・編集しました。

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そもそも質の高い眠りとは? 長さと深さとリズムが重要

眠りには、時間だけでなく質も大切です。理想的な睡眠時間は7時間半とされていますが、あくまでも睡眠中に深く眠っているという前提の話です。

良い睡眠とは、布団に入って意識をなくすまでの「入眠潜時(にゅうみんせんじ) 」が5~15分程度です。その後、レム睡眠(まぶたの下で眼球がキョロキョロして急速眼球運動をしている状態)とノンレム睡眠(急速眼球運動がない状態)を90分程度のサイクルで繰り返します。

眠りの前半はノンレム睡眠が多く、時間が進むにつれてレム睡眠の割合が増えて覚醒に向かうのが正しいリズムです。

さらに、ノンレム睡眠には、眠りの深さによって、ステージ1(N1)からステージ3(N3)まであり、熟睡といわれるのがN3です。眠りの深さによって脳波も、覚醒時・閉眼時に出現しやすい波長で短い12ヘルツ以上のベータ波を出しています。その後、だんだん0.5〜4ヘルツの深い睡眠時にみられるゆっくりした大きな波形を示すデルタ波(徐波)が出現します。そのためノンレム睡眠の中でもN3の深い眠りを「徐波睡眠」といいます。大脳までしっかり休息するのが、この徐波睡眠の状態です。

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私たちの脳は、この徐波睡眠中に覚醒中に学習した内容の定着や忘却など記憶を再編成し、長期記憶として根づかせていることが知られています。

たとえ理想とされる7時間半寝たとしても、徐波睡眠がとれていなければ、大脳が休まらず、心身は万全の状態ではいられません。なかには徐波睡眠がひと晩に一度もとれない人もおり、そのような人は記憶に問題が出てくるリスクすらあるということです。

一般的には、レム睡眠が25%程度、ノンレム睡眠が75%程度の割合が良い睡眠といわれ、ノンレム睡眠のうち30%程度の徐波睡眠がとれれば良い眠りということができます。また、布団に入っていた総時間のうち、実際に眠っている時間の割合「睡眠効率(%)」の数字が高いほど良い眠りです。

 

加藤俊徳(かとう・としのり)
神奈川歯科大学大学院統合医療学講座特任教授
総合内科専門医・医学博士

新潟県生まれ。脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。 株式会社「脳の学校」代表。昭和大学客員教授。発達脳科学・MRI脳画像診断の専門家。脳番地トレーニングの提唱者。小児から超高齢者まで1万人以上を診断・治療。14歳のときに「脳を鍛える方法」を知るために医学部への進学を決意。1991年、現在、世界700カ所以上の施設で使われる脳活動計測「fNIRS(エフニルス)」法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科でアルツハイマー病やMRI脳画像の研究に従事。ADHD、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。帰国後、帰国後、慶應義塾大学、東京大学などで脳研究に従事し、「脳の学校」を創業。

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※本記事は加藤俊徳著の書籍『中高年が朝までぐっすり眠れる方法』(アチーブメント出版)から一部抜粋・編集しました。

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