3つのタイプがある「腰部脊柱管狭窄症」。やってはいけない動作とやっていい動作

坐骨神経痛とは、座骨神経に沿ってお尻から脚にかけて起こる痛みのこと。痛みの出る部位や症状によって、原因となる病気は異なります。そのため、「坐骨神経痛かも?」と思ったら、なるべく早めに痛みの原因を知って、適切な対策をとることが重要です。

平和病院副院長・横浜脊椎脊髄病センター長の田村睦弘先生に、坐骨神経痛の原因や正しい対処法、予防法などを教えていただきました。

3つのタイプがある「腰部脊柱管狭窄症」。やってはいけない動作とやっていい動作 pixta_29034385_S.jpg前の記事「腰を反らすと痛い、立っているのがつらい...50代以上に多い腰部脊柱管狭窄症とは?(2)」はこちら。

 

神経が圧迫される部位によって、症状の現れ方は異なります

腰部脊柱管狭窄症は「馬尾(ばび)型」「神経根(しんけいこん)型」「混合型」と3タイプあり、神経のどの部分が圧迫されるかによって症状が少しずつ異なります。馬尾型と混合型は症状が重くなる傾向があり、手術が必要となることもあります」(田村先生)。

不安に思ったら早めに整形外科を受診しましょう。

【馬尾型】
3つのタイプがある「腰部脊柱管狭窄症」。やってはいけない動作とやっていい動作 1902p071_01.jpg主な症状:神経の束である馬尾が圧迫されて起こります。症状は、お尻から下肢にかけての痛みやしびれ、冷え、感覚マヒ、下肢に力が入らない脱力感、排尿障害など。大半は左右両方に現れます。

 

【神経根型】
3つのタイプがある「腰部脊柱管狭窄症」。やってはいけない動作とやっていい動作 1902p071_02.jpg主な症状:神経の根元部分が圧迫されて症状が出現。坐骨神経に沿って、痛みやしびれが現れます。症状は、左右どちらかの脚だけに出る場合が多いですが、中には両脚に症状が現れる人もいます。

 

【混合型】
3つのタイプがある「腰部脊柱管狭窄症」。やってはいけない動作とやっていい動作 1902p071_03.jpg主な症状:馬尾型と神経根型が合併したタイプで、両方の症状が現れます。

 

◆腰部脊柱管狭窄症の人が気を付けたい動作&姿勢

やってはいけない動作
・背筋を伸ばす
・腰をひねる
・重い物を持ち上げる
ほかにも、無理に良い姿勢を保とうとする、長時間の散歩、立ち通し、洗濯物を干すなどの動作も避けた方が良いでしょう。

やった方が良い動作
・少し前かがみの姿勢
・自転車を利用する
・低い位置で作業をする
ほかにも、調理台や流し台を体に合う高さに調節する、重い物を持つときは腰を落とす、つえやカートを利用するなども良いです。

 

◆腰部脊柱管狭窄症で病院へ行くタイミングは?

強い痛みやしびれ、生活に支障があるときは受診
坐骨神経痛の症状が慢性的にあり、日常生活に支障を感じたり、痛み止めが手放せなかったりする場合は、一度、整形外科や脊椎専門外来を受診しましょう。

 

症状メモを作って病院に持参しましょう
「症状はいつごろから始まったか」「痛みやしびれの程度や範囲はどれくらいか」「どんなときに症状が強くなるか」「いままで受けたことがある坐骨神経痛や腰痛の治療」「現在治療中の病気」などは、一覧にしておきましょう。正確な診断と適切な治療に役立ちます。

 

次の記事「毎日1分でOK! 朝、布団の中でできる「体ほぐし体操」で坐骨神経痛を予防・改善」はこちら。

取材・文/笑(寳田真由美) イラスト/中川原 透

 

 

<教えてくれた人>
田村睦弘(たむら・むつひろ)先生

平和病院副院長・横浜脊椎脊髄病センター長、高月整形外科病院・脊椎センター長兼任。日本整形外科学会認定整形外科専門医。日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科指導医。

この記事は『毎日が発見』2019年2月号に掲載の情報です。

この記事に関連する「健康」のキーワード

PAGE TOP