野菜・果物にも気を付けて! 3日で脂肪になる「糖質」は徹底カットしよう/糖質制限2.0

あなたは「糖質制限」ダイエットをしたことがありますか?そのダイエットは成功しましたか? 実は巷にあふれる「糖質制限」ダイエットの方法は結構ハンパなものが多いのです。

数々のダイエット方法を実践した医師自身による「1日5g以下の徹底した糖質制限=糖質制限2.0」は正確な理論に基づいたシステマチックなダイエット方法をご紹介します。

※この記事は『ハードワークでも疲れないカラダを作る 糖質制限2.0』(西脇 俊二/KADOKAWA)からの抜粋です。

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前の記事「疲れた40代と軽やかな40代への岐路は、糖質制限を始める「今日」です/糖質制限2.0(5)」はこちら。

 

なぜフルーツまで禁止するのか

読者のみなさんのなかで、糖質制限について予備知識ゼロの方は、おそらくいらっしゃらないと思います。何らかの形で情報を見聞きし、ときに積極的に仕入れ、実践した方も少なからずいるでしょう。

では、改めてお聞きします。「糖」とはそもそも何でしょうか。
「お菓子などの甘いもの、プラス、炭水化物かな?」と答えた方、それは少々アバウトな認識です。
ここ数年のブームは「糖質制限ダイエット」「炭水化物抜きダイエット」など様々な呼称を氾濫させました。それが、こうした理解不足を招いています。
糖を正確に知るために、まずは下の図を見てください。

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一番内側にあるのが「糖類」。ここに該当するのは、もっとも単位の小さい単糖類と、それが2つ連結した二糖類です。ブドウ糖や果物に含まれる果糖は単糖類。二糖類には、麦芽糖やショ糖などがあります。

この糖類に、多糖類や合成甘味料などを足したものを「糖質」といいます。

ちなみにこの図を見ると、「糖類ゼロ」という触れ込みの商品は油断ならないと気づくでしょう。糖類がゼロでも、多糖類を含んでいる可能性があるからです。選ぶなら「糖質ゼロ」のほうが手堅い、というわけです(もっとも糖質ゼロでも「カラメル」などがさりげなく入っていることがあるので油断はできませんが)。

さて残るは、一番外側の炭水化物。糖質に繊維分を加えたものです。穀物がこの代表格ですが、野菜や果物もその意味では、繊維と糖質を含んだ食物といえます。そう考えれば、「ご飯やパンや麺類を抜けばOK」という糖質制限が、中途半端なものであったことがわかるはずです。

糖質制限をやっているという方に話を聞いていると、フルーツを食べているという方が結構います。糖質制限2.0では、徹底的に糖をカットします。そこでは野菜や果物も要注意食材であることを覚えておきましょう。

 
糖と肥満の関係

次は、糖質と肥満の関係を考えてみましょう。
肥満とは、すなわち体脂肪率の増加です。この原因は「脂肪の摂り過ぎ」だと長らく考えられてきましたが、実はそうではありません。

真犯人は糖です。
ご存じの通り、糖はエネルギー源です。そして、それ以外の役割は持っていません。これが肥満を呼び寄せる元凶です。

現代人はエネルギー消費が少ないため、摂取された糖はブドウ糖に分解されたあと、多くが使い道のない状態になります。その余剰分が1日後に中性脂肪になり、3日後には皮下脂肪・内臓脂肪・筋肉内脂肪となり、体内に蓄積されるのです。

では、糖を摂らなければどうなるでしょうか。

まず、新たな「脂肪のモト」が入らなくなります。
人体がエネルギー源とするのは、最初に糖、その次が脂肪。糖が入ってこなくなって、はじめて身体は脂肪を燃焼し始めます。
これが、痩せるメカニズムです。
「3日で脂肪になるもの」を入れないことで、効果はたちどころに現れます。
これまでの「生半可糖質制限」ではなく、糖質制限2・0方式の断糖をすれば、3日で1㎏減らせます。

「そんなに急激に減るなんて怖い」と感じますか?
心配はいりません。
10年近くにわたって患者さんの断糖を指導してきましたが、糖を断ったせいで体調に異常をきたした方は1人もいませんでした。

ただし例外はあります。人によっては、開始直後の数日間にわたって「元気が出ない」「足に力が入らない」といった変調を感じることがあります。

しかしこれは一時的なもの。これまでその人の主なエネルギー源だった糖を摂取しなくなったので、タンパク質などの栄養が足りていなかったりすると「なんとなく元気が出ない」感じがすることもあります。この症状が出たら、身体から糖が抜けている証拠です。ほかでしっかり栄養を摂り、糖を摂らない生活に慣れれば、元通り、パワーが戻ってきます。

 

次の記事「「断糖」実施で依存→ストレス→リバウンドの負のループから抜け出そう/糖質制限2.0(7)」はこちら。

 

 

西脇 俊二(にしわき・しゅんじ)

ハタイクリニック院長。弘前大学医学部卒業。1991~96年、国立国際医療センター精神科。 1996~2007年、国立秩父学園医務課医長。1992~2007年、国立精神・神経センター精神保健研究所研究員。大石記念病院(足立区)、皆藤病院(宇都宮)勤務を経て、2009年、ハタイクリニック(目黒区)院長に就任。2010年よりEuropean University Viadrina非常勤講師。2014年よりAyurvedic Medicine Practitioner(California)。 テレビ出演やドラマ、映画の医療監修でも活躍。ハタイクリニック院長就任前からベジタリアンなど多くのダイエット法を試し、糖質制限により3ヵ月で17㎏の減量に成功。セミナーや料理教室を開催し、糖質制限の啓蒙活動を行ってきた。ダイエットだけでなく、糖質制限の効果を利用した治療も行い、多くの患者さんに効果を上げてきた。著書に『ハードワークでも疲れないカラダを作る 糖質制限2.0』(KADOKAWA)など。


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『ハードワークでも疲れないカラダを作る 糖質制限2.0』

(西脇 俊二/KADOKAWA)

医師である著者は専門家の下、マクロビ・ベジタリアン・断食など様々なダイエット法を実践してきたダイエッター。その著者が「本当に」痩せて、なおかつ体力も上げられる「正しい糖質制限」を、正確な理論に基づき伝授します。「控える」糖質制限ではない、「断糖」という徹底した方法は、基礎代謝の落ちる40代の未来を明るいものへと導きます。本書では糖質制限における成功のコツ・失敗の落とし穴を網羅し、正しい理論に基づいた方法を紹介する「次世代」の糖質制限マニュアルです。

 

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この記事は『ハードワークでも疲れないカラダを作る 糖質制限2.0』からの抜粋です

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