普段、糖質やカロリーを気にしていますか? 最近では、糖質オフやカロリーオフを謳う商品が数多く発売されていますが、糖質がゼロならカロリーも低いと思ってはいませんか? 糖質とカロリーの違いを詳しく知っている人は意外と少ないようです。
サッポロビールが今年1月に新ジャンル「サッポロ 極ZERO 爽快ゼロ」の発売に先駆けて実施した「糖質とカロリーに関する意識調査」によると、調査対象となったビール類を飲む20代から50代、800名の男女のうち全体の8割の人が糖質やカロリーを気にしていることがわかりました。男女別にみると、男性より女性のほうが糖質やカロリーを気にしているという結果に。
出典:サッポロホールディングス株式会社「糖質とカロリーに関する意識調査」
また、糖質とカロリー、どちらを気にして商品を買うかという調査では、糖質よりカロリーを気にしている人の割合が高いという結果になりました。
出典:サッポロホールディングス株式会社「糖質とカロリーに関する意識調査」
また、糖質やカロリーを気にしていても、それらが体に与える影響の違いを知っている人は1割にも満たないという結果も出ています。糖質よりカロリーを警戒する人が多いものの、そのはっきりした理由はないようです。
糖質制限とカロリー制限の違い
では、糖質やカロリーとはどのようなもので、違いはなんなのでしょう?
糖質はお菓子といった甘いものだけに限らず、ご飯やパン、芋類などの炭水化物が主成分の食品にも多く含まれています。人間の体は糖質を摂るとエネルギーとして燃焼し、糖がなくなってから脂肪燃焼をはじめます。そのため、糖質の多い食事をしていると脂肪燃焼が後回しになり、結果的に脂肪が蓄積されてしまいます。
また糖質を摂取すると急激に血糖値が上がるため、血糖値を下げようとインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンには脂肪の分解を抑制し、脂肪を蓄える働きもあります。そのため、糖質を多く含む食品をたくさん食べていると、インスリンが分泌されて太りやすくなってしまうのです。脂肪燃焼を促進させるためには、糖質の摂取を抑える必要があります。
一方、カロリーとは、エネルギーの単位のひとつ。1ℓの水を1℃上昇させるのに必要なエネルギーが1kcalです。人間は、食べることでこのカロリーを摂取し、さらにカロリーを消費することで体を動かしています。炭水化物・タンパク質・脂質の三大栄養素のなかでは脂質が持つカロリーがもっとも高いです。しかし、動かなければカロリーが使われることはありません。そうして、発散されないまま摂取カロリーだけがどんどん増えると、脂肪として蓄積され太ってしまうのです。
カロリー制限という言葉をよく聞きますが、これは食べ物の総摂取エネルギーを減らす考え方です。また、運動で摂取カロリーより消費カロリーを多くすれば、脂肪がエネルギーに変換されて痩せることができます。
低糖質のおすすめ食材
糖もカロリーも体には必要不可欠なものですが、とりすぎは大敵です。特に、糖のとりすぎはそのまま肥満につながりやすいです。肥満予防のために食生活改善を考えている方におすすめの、糖質の低い食材をご紹介します。
■糖質の低い肉・魚介類
鶏ささ身、鶏もも(皮なし)、豚肩ロース、牛ヒレ肉、きはだまぐろ、さんま、しばえび、あさりなど
鶏のささ身は低カロリー食材でもあります。
■糖質の低い野菜・きのこ類
大豆もやし、ほうれん草、ブロッコリー、しいたけ、まいたけ、えのきたけなど
葉物野菜は低糖質、低カロリーの食材です。それに対して糖質の高い野菜はさつまいも、かぼちゃ、じゃがいも、果物ではりんごやバナナなどです。
■その他、低糖質な食材
大豆、木綿豆腐、卵、わかめ、もずくなど
管理栄養士の麻生れいみ先生によると、糖質がゼロでもカロリーが低いわけではないそうです。逆に、高カロリーと敬遠されがちな脂質、肉類や卵などのタンパク質には、糖質はほとんど含まれていません。正しく糖質とカロリーの違いを理解し、目的に合ったやり方で食生活を正すことで、体の内から健康になりましょう。
文/江藤優