秋が深まり、コーヒーのおいしさが染み渡る季節になりました。普段何気なく飲んでいるコーヒーですが、実にさまざまな栄養成分が含まれていることをご存じですか? コーヒーの栄養成分に精通した東京薬科大学名誉教授の岡希太郎先生にお話を伺いました。
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毎日のコーヒーで生活習慣病を予防
コーヒーには、ポリフェノールの一種で抗酸化作用を持つクロロゲン酸を始め、ストレスを緩和し、血管を柔らかくする作用を持つNMPなど、健康に役立つ成分が多く含まれています。
では、毎日どのように飲んだらいいのでしょうか?
健康成分を生かすため、岡先生は1杯10g の豆を40mlの湯で抽出することを推奨しています。「物質を抽出する際は、最初の一滴にいちばん濃い成分が入っています。豆10g を10mlの湯で蒸らし、30~40mlの湯で抽出すると味と成分のよいところが出し切れるのです」と岡先生。これを湯や牛乳などで好みの濃さに割って飲んでいるそう。
「病気になるのは、過食や運動不足、ストレスなどで体内に炎症反応が起きて細胞が老化するから。しかし、体内で起きる炎症反応には気付くことができず、気付いたときには病気になっています。コーヒーに含まれるポリフェノールやカフェインには抗酸化成分が含まれ、それらの炎症を予防する助けをするので、コーヒーを飲むというのは習慣化しやすい予防法なのです」。
【岡先生直伝! 健康のためのコーヒーの飲み方】
●1杯10gの豆を30~40mlの湯で、ドリップで入れます。
濃いめに入れて、湯、牛乳、水などで好みに薄めて飲みましょう。
●コーヒーは1日3杯まで。
飲み過ぎは、病気によっては発症リスクが上昇することも。1回10gの豆で1日3杯が適量です。
●深煎り・浅煎りの豆をブレンドします。
深煎りと浅煎りを好みの味にブレンドして飲むと、深煎り・浅煎り両方の成分が摂れます。
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取材・文/ほなみかおり 撮影/齋藤ジン