16歳という若さで、職業としてコーヒー豆の焙煎を手掛け、広く販売して好評を得ている岩野響さん。健康にもいいというコーヒーのおいしい入れ方を教えてもらいました。
前の記事「コーヒーは濃いめに入れて牛乳などで薄めるのが〇。健康によくておいしいコーヒーの飲み方(2)」はこちら。
焙煎から抽出までコーヒーへの愛情が伝わります
「もっともっと多くの方にコーヒーを飲んでもらいたい」と話す岩野さん。まず、「焙煎では、豆の特徴に合わせて火加減、時間を変えていきます。豆の持っている良さを引き出すのが面白いところ。そこが焙煎士の力だと思います」。
焙煎は、豆の色と香りをチェックしながら行います。研ぎ澄まされた感覚が如実に反映されるデリケートな作業です。焙煎にかける情熱は、食事をとるのも忘れて半日以上没頭することもあるほどだといいます。
「僕が目指しているのは、深煎りで甘みがあって、ちょうどいい苦味を含む味。昔ながらの喫茶店の味が好きなので、僕の豆を味わった人からは、懐かしいという声もよくいただきます」
コーヒーを慈しんでいるのが伝わってくるような、岩野さんの丁寧な仕事ぶり。ゆっくりと豆を挽いて、家庭でもおいしいコーヒーを楽しんでみませんか?
さっそくコーヒーを入れてみましょう
1 岩野さんの愛用器具。フィルターは布を使用
左から電動ミル、ネルフィルター、ポット。ペーパーに比べてネルの方が厚いので、ゆっくりとコーヒーが抽出され、しっかりとした味になります。
2 沸かしたお湯を適温の80~85度に冷ます
沸かしたお湯を、適温になるまで、ポットを移し替えて冷まします。岩野さんが移し替えたのは1往復。慣れないうちは温度計を使うのがおすすめ。
3 お湯100mlに対して豆の量は10gスプーン1杯分が約10g
挽くと香りが飛ぶので、必要な分だけその都度ミルに入れて、コーヒーを入れる直前に挽きます。
4 豆は入れる直前に挽くと、おいしい
岩野さんは電動ミルを使っています。もちろん手動のタイプでも構いません。挽くことでコーヒーのいい香りが漂ってきます。
5 粉が平らになるようにドリッパーに入れる
岩野さんは布製のネルフィルターを使用しますが、ペーパーでもネルでも「お好みでどうぞ」とのこと。ペーパーを使う場合も、粉を平らにならすのは同じ。
6 中心部にお湯を注ぎ、30秒間蒸らす
最初はお湯を少しだけ入れて粉を蒸らします。糸のように細くお湯を注ぐのがコツ。だんだん粉が膨らんできます。
7 円を描くようにお湯を少しずつ注ぐ
外側にもまんべんなく注ぎます。できる限りお湯が粉に均等にかかるように円を描きながら。お湯が落ち切る前にドリッパーを外して、抽出を終えます。
できあがり
撮影/齋藤ジン