コーヒーには死亡率を下げる効果がある/鎌田實

雑誌『毎日が発見』で連載中。医師・作家の鎌田實さんの「もっともっとおもしろく生きようよ」から、今回は鎌田さんが「カフェ」について語ります。

pixta_29968740_S.jpg世界各地の魅力的なカフェ

ぼくはコーヒーが大好き。講演や取材旅行に行って、ふっと時間が空くと、カフェに立ち寄ることがよくあります。

京都に行ったときには、哲学の道周辺にある「ゴスペル」というカフェを訪ねます。コーヒーを飲みながら、好きな詩集を読んでいると、豊かな気持ちになります。

沖縄の南城(なんじょう)市にある「浜辺の茶屋」は、海の見えるカフェ。ぼんやりと太平洋を眺めながら飲むコーヒーは癒しの一杯です。

ぼくは15年ほど前からイラクの子どもたちの医療支援を続けていますが、現地に入ったときには必ず、アラビアコーヒーを飲みます。コーヒーの粉とスパイスのカルダモンをお湯で煮だし、その上澄みを飲むのですが、この味は一度味わうとクセになります。
 

1810p119_01.jpg医療支援のために訪れたイラクの街で。

 

カフェではありませんが、タンザニアのサファリツアーで飲んだコーヒーの味は忘れられません。取材で人類の起源を訪ねてアフリカを縦断する旅の途中でした。夕暮れ時、野生動物の気配を遠くに感じながら、ジープの上でいっぷく。人間とは何かを考えながら飲んだ一杯は、ぼくの人生で最高のコーヒーでした。

1810p119_02.jpgアフリカの草原のジープの上でいっぷく。

 
コーヒーには死亡率を下げる効果がある

コーヒーは、エチオピアの山間地が発祥といわれています。13世紀、アラビア半島に秘薬として伝えられ、その後、世界中に広がりました。味わいやカフェインの覚醒作用などが人を魅了してきたのだと思いますが、最近、コーヒーのうれしい効果が科学的にもわかってきました。

国立がん研究センターと東京大学のチームが日本人の成人約9万人を19年間追跡調査した結果、コーヒーを1日3~4杯飲む人は、ほとんど飲まない人に比べ、死亡率のリスクが24%低いということがわかりました。病気別にみると、心臓病では36%、脳血管疾患では43%、呼吸器疾患では40%、死亡リスクが低下するという驚くべき結果が出ています。

これは、コーヒーに含まれるクロロゲン酸の作用ではないかと推測されています。

でも、ぼくは、もう一つ大事な要素があると思っています。それは、「いっぷくする」ことの大切さです。仕事の手を休めて、コーヒーを飲む時間をもつと、それまで過緊張だった交感神経がほっと緩み、副交感神経が優位になります。副交感神経優位の時間をもつと、血管が拡張し、循環がよくなり、脳卒中や心筋梗塞のリスクが少なくなります。同時にリンパ球やがんと闘うナチュラルキラー細胞も増えるといわれています。

 

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鎌田 實(かまた・みのる)さん

1948 年生まれ。医師、作家、諏訪中央病院名誉院長、東京医科歯科大学臨床教授。チェルノブイリ、イラクへの医療支援、東日本大震災被災地支援などに取り組んでいる。『だまされない』(KADOKAWA)、『曇り、ときどき輝く』(集英社)など著書多数。

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この記事は『毎日が発見』2018年10月号に掲載の情報です。
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