適量は1日3杯! コーヒーで糖尿病や脳卒中などの生活習慣病を改善しよう

秋が深まり、コーヒーのおいしさが染み渡る季節になりました。普段何気なく飲んでいるコーヒーですが、実にさまざまな栄養成分が含まれていることをご存じですか? コーヒーの栄養成分に精通した東京薬科大学名誉教授の岡希太郎先生にお話を伺いました。

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コーヒーには健康へと導く驚きのパワーが凝縮

コーヒーの注目成分はポリフェノールのクロロゲン酸の他、NMP とニコチン酸です。
「コーヒーは浅煎りと深煎りで成分が異なります。浅煎りに含まれるクロロゲン酸は腸の中でカフェ酸、フェルラ酸に分解されて吸収されます。それらは血管の筋肉を柔らかくし、血小板が固まるのを防ぎます。つまり動脈硬化の予防に効果的。

深煎りに含まれるのがNMPとニコチン酸で、これらはクロロゲン酸と同様の働きをします。また、NMPは自律神経系のバランスを改善するなどの作用がさまざまな論文で発表されています」と、岡先生。

それらの成分の働きにより、発がんが抑制されたり、糖尿病や脳卒中などの生活習慣病の改善に役立つと考えられています。ただし、摂り過ぎは禁物。健康を害する恐れがあるので、適量は1日3杯まで。あなたも、コーヒー習慣を始めてみませんか?

なお、インスタントコーヒーの化学的成分はレギュラーコーヒーとほぼ同じですが、集団を対象とした研究(疫学研究)は多くありません。また、缶コーヒーの研究は広く知られたものはありませんが、体脂肪の吸収を抑える特別保健用食品(トクホ)の商品が開発されています。

 

浅煎りと深煎りでは成分に違いがありました!

■浅煎り
成分...クロロゲン酸、カフェイン
作用...カフェインや、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸は、抗酸化作用があります。

■深煎り
成分...NMP、ニコチン酸、カフェイン
作用...NMPはストレス緩和と、強い抗酸化作用があります。また、NMPとニコチン酸は血管を柔らかくする作用があります。

 

三大疾患の予防に効果的

コホート研究(年齢や居住地などある一定の条件を満たす特定の集団を長期間、観察・追跡調査し続ける研究)では、コーヒーをほとんど飲まない人よりも1日1~3杯飲む人の方が、心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患による死亡リスクが減少することが分かっています。

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出典:国立がん研究センター ホームページ「コーヒー摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について」

 

◎さらにコーヒーにはこんな効果も!

2型糖尿病のリスクを減らします
コーヒーを飲んでいる人は2型糖尿病のリスクが減るという報告が。脂肪細胞が分泌するホルモン・アディポネクチンが関わっている可能性が示唆されるなど今後の研究が待たれます。

動脈硬化を予防
深煎いり豆に含まれるニコチン酸、浅煎り豆に含まれるクロロゲン酸が血管壁を保護するとともに、血小板が固まるのを防ぐ働きがあることから、動脈硬化の予防が期待できます。

肝臓がんのリスクを軽減
コーヒーは発がん抑制作用が注目されています。国立がん研究センターの研究では、特に肝臓がんの発症リスクは、コーヒーを毎日飲む人はほとんど飲まない人の約半分でした。

 

次の記事「「濃いめコーヒー」を牛乳などで薄めるのが〇。健康によくておいしいコーヒーの飲み方(2)」はこちら。

取材・文/岸上佳緒里 撮影/齋藤ジン

 

<教えてくれた人>
岡 希太郎(おか・きたろう)さん

1941年、東京都生まれ。東京薬科大学名誉教授。日本コーヒー文化学会常任理事。東京薬科大学卒業、薬学博士(東京大学)。コーヒーの栄養成分研究で知られ、著書に『珈琲一杯の薬理学』(医薬経済社)など。

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この記事は『毎日が発見』2018年11月号に掲載の情報です。

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