アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。現在は夫婦二人と3ニャンとで暮らしています。今から20年以上前、私の嫁時代の体験を思い出しながら書いています。
前回の記事:人工呼吸器に繋がれた姑。最終決断を委ねられた舅と夫はその時.../かづ
「今の内にお別れしたい方にご連絡なさって下さい」
担当医にそう言われ、 舅側の親戚には夫が、姑側の親戚には私が連絡をすることになった。
幸い、病院から車で10分程度の所にばかり、姑の兄弟姉妹が住んでいる。
姑は、「兄・姉・姑・妹」の4人兄姉妹だ。
まずは、一番近い所に住んでいる、姑の直ぐ上の姉である伯母に電話をした。
「遅くにすみません。○時に心肺停止しまして、人工呼吸器を着けているんですが、やっぱり持たないそうで、呼吸器を外して逝かせてあげる事になりました。最後のお別れと言う事で、まだ生きていますので、今から病院に来ては貰えないでしょうか?」
伯母の第一声はこうだった。
「兄ちゃんは行くって言うた?」
「いえ、まだ伯父様には連絡していません。ここから一番近いのが伯母様でしたんで...。」
「.........。かづさん、私、膝が痛いんよ...。」
「あの、私と夫とで手分けして、車で迎えに行くつもりですから。」
「いやいや! それには及ばんのやけどね。............。」
「あの...」
「かづさん...。私、明日の朝早くに、息子の弁当作らなアカンのやわ...。チョッと、兄ちゃんと相談するわ...。兄ちゃんが行く言うなら一緒に乗せてってもらっても...」
電話を切るしかなかった。
次に近い、先ほどの話しに出ていた姑の兄に電話をした。
同じ説明をすると
「かづさん、ワシ、ギックリ腰が痛とうてなぁ。どうせ行った所で、意識が無いんやろ?それやったら、亡くなって葬儀場が決まったら、また電話して来てぇな」
姑の妹には、夫に電話を掛けて貰った。
もうどうでも良くなったし、私から頼み込んでまで来て貰う必要があるのかと思った。
姑の妹は「私、姉ちゃんに嫌われとったし...」と言ったらしい。
その昔姑は、妹がある宗教に入信した際に罵倒したらしく、その時に姉妹の縁は切ったらしい。
結局、あちらこちらに電話をしたが、誰も来ないと言う事だった。
病院から、車で10分程度の所に住んでいると言うにも関わらず。
まぁ、それもこれも、全て姑が積み重ねて来た物だと言う事を私は長年知っているが。
姑の今際の際(いまわのきわ)に駆けつけて来てくれるように、私と夫であちこちに電話をしまくっている様子を看護師さん達が見ていたので、誰も来ないと伝えると看護師さん達が驚いたのは表情を見て分かった。
担当医が病室に入って来て、人工呼吸器を外す事になった。
担当医が「よろしいですね?」と、再度夫と舅に確認をした。
夫も舅も「はい」と、返事をする。
それを確認した担当医が姑の横に立ち、人工呼吸器をズルッと姑の口から引き抜く。
枕元には舅と夫が、私はベッドの足元に立っていた。
舅と夫は、ただただ姑の顔を見ているだけで、さながら姑が死んでいくのを観察している様な雰囲気だった。
「あんたら!! 手ぇぐらい握って、声掛けたりぃな!!」
思わず口から出た。
私の声にハッとして、夫と舅は慌てて
「オフクロ!!」「お母ちゃん!!」
と、声を掛けながら手を握った。
(この時、夫の「オフクロ!!」は解るけど、舅の「お母ちゃん!!」は、どうなんだ??と思っちゃった。せめて、名前を呼んであげればいいのに...。)
すると、その瞬間!!
「フゥ~~」
姑の自発呼吸が開始した。
親戚への連絡は、舅側には夫が、姑側には私がする事になった。
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