アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。現在は夫婦二人と3ニャンとで暮らしています。私の嫁時代の体験を思い出しながら書いています。
前回の記事:認知症らしき症状が出ている姑をどうすれば...。「まるで他人事」な夫と舅にブチッ!/かづ
面倒がる舅と夫をなんとか説得して、認知症らしき症状が出ている姑を病院に連れてきた。
病院に着くと、舅は玄関入ってすぐの長椅子にチョコンと座り
「僕、ココで待っとくから」
と言って雑誌を手に取った。
「お義父さん、私、ココで帰ってもいいんですが??」
と言うと渋々着いて来た。
車を駐車場に停めた夫が来たので、姑の横に一緒に座っていて貰った。
受付で問診表を書き、姑の座っている方を向くと、姑が居ない。
「お義母さんは!?」
夫が舅の方を向いて言った。
「オヤジが見とかなアカンやろ!!」
舅は舅で
「エッ?僕、見とけって言われてたか??」
と言う。
親子揃って、のん気に新聞を広げて読んでいたのだ。
姑はトイレに行きたかったらしく、さりとて場所が分からなかった様で、ウロウロしていた。
椅子に座らせた姑に、両脇の夫と舅が怒鳴っていた。
「勝手にウロウロしたらアカンやないか!!」
私はボソ~ッと言ってやった。
「勝手にウロウロするから病院に来とんねんやん。その勝手にウロウロする奴の横で、新聞広げて我関せずで読みふけっとる方が変なんやん。私が書くもん書いとるのに、なんであんたら親子揃ってくつろいでるねん」
診察の順番が来てナースから呼ばれた。
「○○さ~ん」
当然私は椅子から立って姑も立たせた。
夫も舅も一緒に立つ。
ところが診察室に向かおうとすると、歩く方向が違う。
「どこ行くん!!」
夫「トイレに...、ずっと我慢しとったんで...」
舅「新聞見たから、週刊誌取りに...」
「ホンマに、私ココで帰るで!!」
舅は渋々着いて来て、夫は急いでトイレを済ませた。
あのまま私だけを、姑と一緒に診察室に入らせる気だったのだろう。
医者の指示でCTを撮った結果、脳の頭頂部から既に3分の1が萎縮しているとの事だった。
現時点では「縞状健忘」で、いわゆる俗に言う「まだら認知症」だった。
ハッキリ解っている部分も有れば、全く解らない部分も有る。
そして、次第に何もかも解らなくなってしまうと言う事だった。
けれども、私と夫は内心、気が楽な部分が有った。
なぜなら、姑が常日頃言っていた
「お父ちゃんの退職金は、少なくとも6千万円はある。預貯金や株券だけでも3千万円ある。年金額は、お父ちゃんだけで1ヶ月27万円貰える。と、言う事は、あんたに何一つ面倒見て貰う事なんか無いんやから」
と言う部分だ。
介護にはお金が掛かる。
実際、姑が認知症になって、今後の介護の心配をしなくてはならなくなった際に、常日頃姑が言っていた様に、家政婦や有料の老人ホームへの話しが出ていた。
当然、その時点での所有財産額の話になる。
私は夫に言った。
「あんたは一人息子なんやから、誰にも頼れないんやで。もしオジイが倒れでもしたら、どこにどれだけお金が有るのか知ってなきゃ、ウチの家計で支払う事になるんやで。保険の事や預金通帳やハンコなんか、あんただけは知ってないと困るんやからね」
と、あくまでも、嫁が金をアテにしているなんて思われたら困るので、言い方も考えた。
正直言って、本気でアテになんかしていない。
ただ、約束通り、持っている金を全額はたいてでも、面倒を見なくてイイ様にして欲しいだけだ。
姑の脳の3分の1に萎縮が始まっていると診断され、夫は舅姑を自宅に送り、舅に財産は全額でどれくらい有るのか聞いた。
私は席を外しておくからと言い、別の部屋に行こうとした。
舅は書棚から貯金通帳2冊を持って来て言った。
「コレだけや...」
通帳を手に取り、中を見る夫。
夫「オヤジ、他には?」
舅「それだけや」
夫「それだけって事は無いやろ?」
舅「それだけしか無いで?」
夫「貸金庫とか、定期とかが有るんと違うんか??」
舅「いいや、それだけや。」
私は夫の顔が険しくなって行くのを見ながら、何を言っているのか理解が出来ない。
「どないしたん??」
そう聞いた瞬間夫が怒鳴った。
「こんだけしか無い訳が無いやろ!!」
続く
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