少しの間、高熱で寝込む息子との留守番を実母にお願い。帰ってみると.../石塚ワカメ

実母が認知症になる前、息子が熱を出すたびに看病に来てもらっていました。

前回の記事:息子のご飯をつまみぐい...認知症になって変化した食事のこと

少しの間、高熱で寝込む息子との留守番を実母にお願い。帰ってみると.../石塚ワカメ 33_01.jpg
息子はこれまたしょっちゅう熱を出すうえ長引きやすく、病児保育はなかなか予約がとれないので、実母の助けはとても助かっていました。

実母は毎回、日中のパートを終えた足で電車で片道1時間弱かけて来てくれるので恐縮すると、「いいのいいの、大好きな坊っちゃんに会えるし、ワカメちゃんたちの助けになれることが嬉しいんだから!親孝行だと思って頼ってね!」とにこにこ。私も実母の言葉に甘えて、多いときは連日来てもらうこともありました。

そんな息子も成長するにつれ熱を出すことが少なくなり、実母に看病に来てもらう機会も減ったなぁ~と思っていた頃に認知症が発症し、今に至ります。


実母の近距離介護を始めてそろそろ一年を迎えようとしていたある日、息子がひさびさに発熱!しかもヘビー級!
熱が上がる過渡期なのか、病院に連れて行ったときに少し起きた以外は、ぐったりと眠り続けています。

さいわい娘は元気だったし、納期が迫った仕事もあるので、娘は旦那に保育園に連れて行ってもらいました。しかし問題はお迎え...。

娘の保育園のお迎えの所要時間はダッシュで行って戻って30分。
小康状態ならば息子も一緒に連れて行って保育園の外で待たせておくのですが、高熱で寝込んでいるところを連れて行くわけにもいかない。かと言って、ひとり家に置いていくわけにもいかず...。

迷った挙げ句、実母がデイサービスから帰るのを待って、私が娘のお迎えに行っている間、ふたりで留守番をしてもらうことにしました。

認知症が進み、異食や弄便などがでてきた実母に留守番を頼むことはいささか不安でしたが、大好きな息子が目の前で寝込んでいたら、きっと一時的にでも以前の実母に戻ってくれるだろう。

そう信じて、我が家に来た実母に状況を説明して留守番を頼むと...
少しの間、高熱で寝込む息子との留守番を実母にお願い。帰ってみると.../石塚ワカメ 33_02.jpgと、張り切って引き受けてくれました。

しかし、伝えたことを忘れてしまうのが認知症...。
念のため玄関の扉に「娘の保育園のお迎えに行ってきます。坊が熱で寝ているので、私が帰るまで一緒にいてあげてください。」とデカデカと書いたメモを貼りました。まんがいちのために、ガスコンロにチャイルドロックをかけ、電子レンジやトースターのコンセントを抜いておきました。

そうしてダッシュで娘のお迎えから帰ってくると──
少しの間、高熱で寝込む息子との留守番を実母にお願い。帰ってみると.../石塚ワカメ 33_03.jpg
実母に電話すると、「坊っちゃん、話しかけても返事もしないで寝てるだけだから帰ってきちゃった!」とのこと...。

語弊がある言い方かもしれないけど、このとき私は「実母は変わってしまったのだ...」と、ひどく落胆しました。

以前の実母だったら、高熱で寝込む孫を絶対にひとりにしない。
でも実母は認知症を患い、周りの状況の認知や記憶力が低下してしまったのだから仕方ない。
認知症になってからいろいろ変わってしまったけど、実母は実母。
ただ、私が"困ったときにいつでも助けてくれて、私や子どもたちの味方になってくれる優しい実母像"にしがみついているだけなのではないだろうか。

これからもっと認知症が進んだら、実母はどうなって行くんだろう...。
私は何がしてあげられるのだろう...。

そんなことを考えさせられる一件でした。

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石塚ワカメ


70年代生まれのイラストレーター。二児を育てつつ、近距離に住む実母の介護も行う、仕事・育児・介護のトリプルハードワーカー。ブログ「ワカメ絵日記」を運営。著書に「妊娠さらし絵日記(飛鳥新社)」「毎日が育ジーザス!!(主婦の友社)」がある。

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