あなたは自分の人生を思い通りに生きていますか?
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頑張っても報われないと感じるのはなぜか
「いわれてみれば、納得する。でも、実際にはなかなかできないんだよねえ......」これが多くの人の抱える悩みでしょう。自分自身の"設定"を変更し、すべてを思い通りに変えていく公式=仕組みはわかった。でも、わかったけれど、なかなか自分を変えることができない、踏み出すことができない......。そんな人が世の中のほとんどだと思います。
なぜ、「(仕組みは)わかっていても、なかなか変わらない」のか?実はこの原因はとても簡単なことにあるのです。それは、「自分を変えよう」「何か新しいことを成し遂げよう」と思う人たちの行動パターンを見ているとよくわかります。
「『"頑張って"自分を変える方法』ばかり学んでいる」
これが、自分を変えようとしてもなかなか変われない大きな原因なのです。
いや、自分を変える方法を学ぶのは、悪いことではありません。ただ、「なぜ変われないのか?」「変わろうとする時に、何がジャマをするのか?」を理解しないまま、単純に「変わろうとすることだけに一生懸命」になってしまうから、いつまでたっても目覚ましい変化が起きないのです。
「"なぜ変われないのか?" "変わろうとする時に何がジャマをしているのか?"を理解せずに、ただ頑張る」とはどのような状況なのか?
たとえばここに"穴の空いたバケツ"があったとしましょう。あなたはバケツを水でいっぱいにしようとしているのですが、穴が空いていることに気づいていないまま、一生懸命バケツに水を注いでいます。当然、いつまでたっても、バケツは水でいっぱいになりません。
「"変わろうとする時に何がジャマをしているのか"を理解せずに、ただ頑張る」とは、つまりそういうことなのです。じゃあ、穴の空いたバケツを水でいっぱいにするための最短の方法は?そう、バケツの穴をふさぐことですよね。
「バケツの穴(=変わろうとすることをジャマする力)の存在を理解して、穴をふさぐ(無効化する)ことができれば、水が溜まる(自分が変わる)のは格段に早くなる」ということです。
この場合、「水を注ぐ」というのが、「自分が変わろうとする行動」にあたります。多くの人がこのバケツの穴に気がつかないまま、"一生懸命"水を注いでいるわけです。あなたが今の自分を変えようと思うのであれば、「自分を変える方法」を学ぶだけではなく、「変化をジャマする力」についても理解し、その対抗策を準備する必要があります。
なぜなら、そのほうが格段に早く、物事が自動的に実現していくからです。
「心理学的ホメオスタシス」の発動を感じ取る
では、あなたの変化を最もジャマするものは、何だと思いますか?それは、あなたの「脳」です。
あなたは、生きていく上であなた自身の脳が最優先に考えていることを理解していますか?生きていく上であなたの脳が最も大切にしていること......。
それは、「死なないこと」です。
つまり、あなたの脳は「(あなたの)生命の維持」を最優先に考えている。
ですから、あなたが「今、生きている」のであれば、脳はあなたが何か新しいことを始めようとしたり、何かにチャレンジしようとすると、あなたが変化しないように、あの手、この手を使い全力でジャマをします。
「"今の状態"で生きていられるんだから、何かを変える必要はないだろう」「頼むからチャレンジだとか余計なことはしないでくれ!」といわんばかりに。何かを始めようとしたら、ある時は「不安」という感情を生み出したり、ある時は「寂しさ」という感情を生み出したり、また、ある時は「自分にはできない理由」を探してきたり、同じことをして失敗した人の例が目につくように(気になるように)したりと、全力であなたの変化を止めようとします。
あなたにもそんな経験があるのではないでしょうか。もちろん私にもありますし、これまで大きな成果を残してこられた私のクライアントにもあります。このようなあなたの脳の「変化を止めようとする働き」のことを、専門的には「心理学的ホメオスタシス(心理学的恒常性)」といいます。
あなたの脳が最優先にしているのは、残念ながら「今のままのあなたでいること」。心理学的ホメオスタシスこそが、「あなたの変化をジャマする最大にして最強の力」であるわけです。
ここで大切なのは、まずは「自分が変化をしようとしている時には、心理学的ホメオスタシスが働くのだ」という事実を知っておくということです。
知っているのと、知っていないのでは、その時にとれる行動も大きく変わるはずです。私も何か新しいことを始める時はドキドキしたり、不安を感じたりします。
でも、そんな時にも「ああ、これは"心理学的ホメオスタシス"が発動してるんだ」と考えれば、すぐに冷静になれます。心理学的ホメオスタシスの存在を知らなければ、その時の不安感や感情に戸惑い、右往左往しているかもしれません。
自分を変える行動をする前に、自分の変化を妨げる力を知っておくことで、あなたが実現したいことを叶えるスピードも自動的に速くなるのです。
そう、いち早くバケツの穴に気づくように。
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