たんすやクローゼットの服を処分したいけれど、もったいなくて捨てられないという人は多いものです。そこで、シニア層を対象にした上手な整理のコツを、スタイリストの大沢早苗さんに伺いました。今回は捨て時の服を、具体的な3つのステップで整理する方法をご紹介。ぜひ休日に実施してみてください。
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「なくても困らない服」から仕分けます
整理の手順は簡単。大きな箱や袋を用意し、使用頻度の低い服からより分けていきます。次は残した服を、1枚1枚手に取り、じっくりとチェック。
「いる、いらないで考えると、もったいない気持ちが先に立ち、捨て時が分からなくなってしまいます。基準はすてきに見えるかどうかだけ。質感も大切です。とろみのあるつやっぽい素材はきれいに見えますが、薄手でハリのない木綿などは安っぽい印象を与えます」(大沢さん)
箱や袋に入れた服は、すぐ手放せるならそのまま処分。迷ったら、押し入れなどで1年間保管するルールにします。
「気持ちの整理がついたら捨てる、と考えれば、気楽に仕分けができますよ」(大沢さん)
■ステップ1
着ていない服をより分ける
最初に用意する箱は2つ。1つはタグが付いたままの服、最近着ていない服など「持っていることすら忘れていた服」入れにします。もう1つの箱は、着ていなくても捨てられない、思い入れのある服を入れます。
【2年間着ていない服】
買ったときはピンと来ても、その後は着ていない服は何かの問題を感じている証拠。もらった服など、好みでないものもこの箱に。
【着ていないけれど捨てられない服】
「やせたら着る」「デザインが好き」など、とっておきたい理由がある服は、思い出の服として保管。形見分けの服もここへ。
■ステップ2
残りの服をさらにチェック
ここでピックアップするのは、たまに着るけれど出番が少ない服。突き詰めると、サイズ感や着心地に問題があったり、コーディネートしにくい、映えない、着過ぎてくたびれているなど、いまひとつ好きになれない要素があるはず。潔く除きましょう。
【サイズが合っていない】
目安は、体の線が出ているかどうか。やせている人は、胸元がぶかぶかだったり、肩が落ちてだらしなく見えないか判断を。
【着心地が悪い】
チクチク、ゴワゴワ、モコモコといった感覚は、着心地がいいとはいえません。残しても結局着なくなりがち。
■ステップ3
いまの年代の自分に向かない色をチェック
どんなにデザインや素材がよくても、魅力を下げてしまう服というのがあります。それは色。特に気を付けたいのが、爽やかなパステルカラーと、ナチュラルなアースカラー。シニア世代を輝かせる色ではないので、残念ですがこれらの服は処分対象です。
【太って見える】
パステルカラーは膨張色。体が丸みを帯びてきた私たち世代が着ると太って見えたり、顔がぼやけます。迷ったら鮮やかな色を残して。
・水色
・ピンク
・黄色
【顔がくすんで見える】
40 代までは大活躍したナチュラルカラーも、くすんだ印象を与えてしまいます。鏡の前で当ててみると、よく分かるはず!
・カーキ
・グレー
・ベージュ
◆アクセサリーやスカーフはいまこそ活用!
「覚えておきたいのは、装飾の多い服より、シンプルな服の方が活躍するということ。小物でいくらでも表情が足せますから、シーンや流行を問わず着回しやすいんです」(大沢さん)
スカーフを垂らしたり、冠婚葬祭用にしているパールやダイヤモンドを普段着に合わせたりするのもおすすめ。フォーマルと決めつけず、カジュアルな服にも合わせてみましょう。
「顔周りに光るものがあるだけで、コーディネートが華やかになります。本物のジュエリーや光沢のあるシルクは、年を重ねてますます似合うもの。しまい込んでいる人は、これから積極的に活用しましょう」(大沢さん)
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取材・文/佐藤由香 撮影/片山久子 イラスト/石山綾子