「体の不調」や「老後の貯蓄」などの心配事は、誰もが抱えているはず。考えすぎて心の重荷を増やす、嫌なサイクルに陥ってしまっている人もいるかもしれません。そこで取り入れたいのが「禅の習慣」。今回は、google本社で禅の講義を行う話題の禅僧による、「心配を取り除くための"ちょっとした思考のクセや生活の習慣を変える方法"」について、連載形式でお届けします。
※この記事は『心配事がスッと消える禅の習慣』(松原正樹/アスコム)からの抜粋です。
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■禅の習慣
忙しいときほど心を整えて、耳を澄ませて、音に集中してみる
忙しいという字のごとく、心を亡くした状態になると、小さなことでイライラしたり、人に当たったり、ネガティブなグチまで増えてしまいがちです。
さらには、人にも自分にも心を配ることができなくなり、そんないっぱいいっぱいになっている自分のことは自分自身がいちばんよくわかるので、余計に心がクサクサして、負のループへと引き込まれてしまいそうになります。
こんなときにこそ、「深呼吸」や「歩く瞑想」です。
忙しいときは心のザワつきも大きいもの。深呼吸や歩く瞑想で心を鎮(しず)めようとしてもなかなか集中できず、落ち着きを取り戻すのに時間がかかってしまうかもしれません。
そこで、忙しさで心を亡くしかけている方に、忙しいからこそ少しでも早く、心を落ち着けるためにできる裏技をご紹介しましょう。
深呼吸のときも、歩く瞑想のときでも、音に意識を向けます。
私たちはいろいろな音に囲まれていますが、そのほんの一部しか耳に入ってきていません。まして忙しいときは音に意識を向けないため耳に入ってこないのです。ですから、忙しいときこそむしろ耳を澄ませてみましょう。
今、この本を手に持ったままでいいので、音に意識を向けながら、吸う息の倍の時間をかけて息を吐く、深い深呼吸をしてみましょう。
いかがでしたか。本を読んでいるときには気づかなかった音が聞こえてこなかったでしょうか。
外を走る車の音、エアコンが稼働する音、自分の呼吸の音、小鳥のさえずり、人の声、赤ちゃんの泣き声......。
何か音が聞こえたら、「快」「不快」「いい」「悪い」などのジャッジはせず、それをそのまま受け止めます。
受け止めた後、心を落ち着かせてくれる気づきや新たな感情がポッと浮かんでくることがあります。それで、いいのです。それが、大事なのです。
根を詰めた作業の後にう~んと伸びをしたとき、ハァ~とため息をついたとき、パソコンが立ち上がるまでのちょっとした空白の時間。
どれほど忙しいときでも30秒~1分くらいの時間は見つけられるはずです。そんな忙しい日々のすきま時間に、深呼吸とともに周囲の音に耳を傾ける時間を持ってみましょう。
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