たんすやクローゼットの服を処分したいけれど、もったいなくて捨てられないという人は多いものです。そこで、シニア層を対象にした上手な整理のコツを、スタイリストの大沢早苗さんに伺いました。今回は前回お知らせした3つのステップを実際に実施してみたレポートをお届けします。
前の記事:「捨て時服」を見つける3つの簡単ステップ/捨てる服(3)はこちら
気軽に買ってしまうクセに気付きました
今回、実際にトライしてくださったのは、秋野美樹さん(52歳)。パート勤務の秋野さんは、通勤時もカジュアルな服が基本。普段はユニクロや大手スーパーの衣料品コーナーなどで選ぶそうですが「安いと気軽に買ってしまって」と反省します。
ステップ1 着ていない服をより分ける
早速、洋服整理を始めると、着ていない服だけですでに相当な枚数に。しかも、比較的新しい服が目につきます。
「気に入って買ったはずなのに、しばらくたつとなぜか着なくなる服が多いんです。試着はしたのですが、似合うかどうか吟味していなかったかも」
使っていない衣装ケースを仕分け箱に活用。
クローゼットや引き出しをざっと見て、該当する服を箱に入れていきました。左が着ていないけれど捨てられない服、右が2年間着ていない服。
ステップ2 残りの服をさらにチェック
ステップ2では「たまに着るけど出番が少ない服」をピックアップ。サイズ感や着心地、着過ぎてくたびれている...などのチェックです。
こうして点検することで、次第に服の傾向が見えてきました。
「柄ものが多いですね~。でもあまり着ていない服も多い...。大好きなチェックやストライプも、最近ピンとこなくなってきた感じがします」
若いころに気に入っていたチェックやボーダー、ストライプなど柄ものの服やチュニックが大量に。「素材も柄も、ちょっと若向きかも...」
また、小花柄はほとんど出番のなかった地味アイテム。「嫌いな服ではないけど、確かにもっさりしていて華やかさに欠けますね」
試着もしてみました。もらいもののスカートはウエストがキツキツ!「はけそうではけない。新品で捨てられなかったけど、多分出番はないです」
ステップ2で見つかった服は新たに用意した箱にひとまとめに。「好きな服ですが、顔や体形に合わなくなっていたんですね」。また、この段階で捨てられない思い出の服も発見。
「部屋着にするつもりで残しておいたけど、実は部屋着にもしていません」と笑う秋野さん。ステップ1の「着ていないけど捨てられない服」の箱に追加します。
ステップ3 いまの年代の自分に向かない色をチェック
最後にチェックしたのは、ナチュラルなベージュの服。
「リネン素材が好きで、この色も好んで着ていました。でも、改めて見ると昔より微妙な感じがします」
くすみ色は、眺めているより着て実感するもの。実際に試着してみると、「好きな色が似合うとは限らないんですね。納得です!」
結果、処分対象になった服は...予想を上回る75枚! 膨大な量の「捨て時服」が判明しました。
「この手順で見直してみると、自分の買いグセや好みがよく分かりますね。自分が好きな服と、第三者から見た印象は違うという視点は勉強になりました!」。最後に箱の中をもう一度見直し、捨てられない服はこのまま1年保管します。
今回のこの整理術で、クローゼットをかなりすっきりさせることに成功しました。
取材・文/佐藤由香 撮影/片山久子