右、左、右...に集中&立ち止まる!心落ち着く「歩く瞑想」のコツ

「体の不調」や「老後の貯蓄」などの心配事は、誰もが抱えているはず。考えすぎて心の重荷を増やす、嫌なサイクルに陥ってしまっている人もいるかもしれません。そこで取り入れたいのが「禅の習慣」。今回は、google本社で禅の講義を行う話題の禅僧による、「心配を取り除くための"ちょっとした思考のクセや生活の習慣を変える方法"」について、連載形式でお届けします。

※この記事は『心配事がスッと消える禅の習慣』(松原正樹/アスコム)からの抜粋です。

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■禅の習慣
歩くときは、「歩くこと」に意識を向ける。すると、不安や後悔は心に居場所をなくす

心が不安感にとらわれたとき、その感情に執着せず、パッと気持ちを切り替えるのに役立てていただきたいのが「歩く瞑想」です。禅では経行(きんひん)といい、もともとは、坐禅中に滞った下半身の血液の循環をよくするために行っていたものです。

歩く瞑想のいいところは、どこにいてもできることです。

外出先で嫌なことに遭遇し、気持ちを切り替えたいときはうってつけですし、屋内にいてもトイレまでの数歩という短い距離に意識的に取り入れるだけでもずいぶん違います。

もちろん、長い距離を歩ける環境であるのならば、ご自分の気持ちが落ち着くまで、疲れない程度に歩き続けるのもいいでしょう。

歩く瞑想の基本は、足に意識を集中することです。

地面を蹴り上げてから着地するまで、右、左、右、左、全精神をその一歩に集中して歩きます。

私がそのとき思うのは、まず、自分は歩いているという事実だけを受け止めること。それができたら次に、蹴り上げた足が感じている地面の感触、ふくらはぎの筋肉の伸び縮み、かかとから指先まで順に地面についていく感覚に意識を向けます。

少し歩いたら、一度、人気の少ないところで立ち止まります。そこで1~2分程度、深呼吸を繰り返します。

わざわざ一度立ち止まることで、自分の足と地面がくっついていることが、より明確につかみ取れるようになります。ある意味、この地球と自分が一体化していることに気づくのです。

「独坐大雄峰(どくざだいゆうほう)」という禅語があります。ある僧が唐の禅僧の百丈懐海(ひゃくじょうえかい)に「この世で最も素晴らしいことは何ですか」と尋ねたところ、「この山にこうしてどっかり座っていることだ」と答えたといいます。

つまり私たちは、この地と一体となっている、「今、ここにいる」という気づきを得ている自分がいちばん幸せなのです。人間は寂しがりやなので、しっかりとしたつながりを実感するだけで、それが安心感となります。

これらの気づきが次第にざわついた心を整理してくれるでしょう。再び歩き出せば、先ほどとは目に映る景色、匂い、音、五感を刺激するすべてに敏感になっているはずです。

極論をいえば、ただ歩くだけで悩みが解消される。そんなふうにもいえます。

 

次の記事「忙しい時こそ!すきま時間にイライラを鎮める裏技/禅の習慣(7)」はこちら。

 

 

松原正樹(まつばら・まさき)

1973年、東京都生まれ。千葉・富津市のマザー牧場に隣接する臨済宗妙心寺派佛母寺住職。アメリカのコーネル大学東アジア研究所研究員。ブラウン大学瞑想学研究員。ベストセラー『般若心経入門』の著者で名僧の松原泰道を祖父に持つ。コーネル大学でアジア研究学の修士号、宗教学博士号を取得後、カリフォルニア大学バークレー校仏教学研究所、スタンフォード大学HO仏教学研究所を経て、現在に至る。グーグル本社で禅や茶道の講義をするなど、マインドフルネス界からも注目を集めている。ニューヨーク在住。アメリカと日本を行き来しながら、禅とマインドフルネスの橋渡し的存在として、国籍や人種、宗教を問わず人々の「心の救済」にあたっている。

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『心配事がスッと消える禅の習慣』

(松原正樹/アスコム)

ニューヨークを拠点にスタンフォード大学、コーネル大学、グーグル本社などで禅的な生き方、心をラクにする瞑想法を指導している、いまもっとも注目すべき禅僧のデビュー作。不安・恐れ・孤独感・心の苦しみがスッと消える「禅的生活」のススメが、分かりやすく丁寧に語られた話題の一冊です!

この記事は書籍『心配事がスッと消える禅の習慣』からの抜粋です

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