体の不調や老化を遠ざける!「空腹力」のススメ

「食べるとすぐ眠くなる」「疲れやすくなった」。こうした症状、もしかしたら「食べすぎ」のせいかもしれません。そこで今回は、医学博士・青木厚先生による話題の著書より、「空腹」の力を活用した食事法や、そのメリットについて6回にわたってお届けします。

※この記事は『「空腹」こそ最強のクスリ』(青木 厚/アスコム)からの抜粋です。

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「一日3食」「食べすぎ」が、疲れやすい体を作る

「食べると、すぐに眠くなってしまう」
「最近、胃腸が弱っている気がする」
「疲れやすくなった」
「何もする気が起きなくなったり、やたらイライラしたり、気分の変化が激しい」
こうした症状に悩まされている人はいませんか?
加齢による体力の低下、運動不足など、原因はいろいろと考えられますが、もしかしたらそれらの症状は、「食べすぎ」(特に糖質の摂りすぎ)からきているかもしれません。


このように言うと、
「自分は一日3度、規則正しく食事をしている」
「そんなにたくさん食べているつもりはない」
と、思う人もいるでしょう。

しかし、一日3食というのは、それだけで「食べすぎ」になってしまう可能性があります。

成人が一日に必要とするカロリーは、1800~2200キロカロリー前後といわれています。

一方で、現代人、特に外食が多い人の食事はどうしても高カロリーになりがちです。
ハンバーガーとポテトフライ、ドリンクのセットだけで、1000キロカロリーは軽く超えますし、ファミレスに行けば、800~1000キロカロリー程度のメニューがたくさん並んでいます。

つまり、一日3度食事をとることで、本来必要な量の1.5~2倍のカロリーを摂取してしまう......というのは、十分にありうることなのです。

 

さまざまな病気の温床となる「糖質の摂りすぎ」

しかも、現代日本人の食事は、特に糖(糖質)が多くなりがちです。

成人が一日に必要とする糖質は、170gといわれています。茶碗一杯のご飯(白米)に含まれる糖質は50g程度ですから、ご飯を一日3杯食べれば、それだけでほぼ、本来必要な糖質は摂取できてしまいます。つまり、一日3杯のご飯に加えて、デザートなどを食べれば、それだけで糖質過多になるのです。

糖質の摂りすぎによる最大の問題は、「糖質が、血糖値(血液中のグルコース〈ブドウ糖〉の濃度)を急上昇させる」点にあります。

血糖値が上がると、すい臓から「インスリン」というホルモンが分泌されます。

インスリンは、全身の細胞にブドウ糖を送り込む作用により、血糖値を下げる働きをしますが、血糖値が急上昇すると、インスリンが大量に分泌され、今度は血糖値が急激に下がってしまいます。

こうした、ジェットコースターのような血糖値の乱高下は、「食後すぐ眠くなる」「だるくなる」「イライラする」などの症状をもたらします。

 

血糖値が下がり、脂肪が分解され、細胞が生まれ変わる方法がある

では、こうした、食べすぎや糖質の摂りすぎによるさまざまな害から体を守るには、いったいどうしたらよいのでしょう。

「食事のカロリー数を減らす」「糖質を減らす」など、さまざまな方法が考えら
れますが、私がおすすめしたいのは、

「ものを食べない時間(空腹の時間)を作る」

というものです。

「空腹」というと、お腹がペコペコで辛いというイメージがあるかもしれませんが、ここでいう「空腹」とは、「ものを食べない状態」を指していると捉えてください。

空腹の時間を作ると、まず内臓がしっかりと休むことができ、血糖値も徐々に下がります。

また、最後にものを食べてから10時間ほどたつと、肝臓に蓄えられた糖がなくなるため、脂肪が分解されエネルギーとして使われるようになり、16時間を超えると、体に備わっている「オートファジー」という仕組みが働くようになります。

オートファジーとは、「細胞内の古くなったタンパク質が、新しく作り替えられる」というもので、細胞が飢餓状態や低酸素状態に陥ると、活発化するといわれています。
体の不調や老化は、細胞が古くなったり壊れたりすることによって生じます。
特に、細胞内のミトコンドリア(呼吸を行いエネルギーを作り出す重要な器官)が古くなると、細胞にとって必要なエネルギーが減り、活性酸素が増えるといわれています。

オートファジーによって、古くなったり壊れたりした細胞が内側から新しく生まれ変われば、病気を遠ざけ、老化の進行を食い止めることができるのです。

つまり、空腹の時間を作ることで、

・内臓の疲れがとれて内臓機能が高まり、免疫力もアップする。
・血糖値が下がり、インスリンの適切な分泌が促され、血管障害が改善される。
・脂肪が分解され、肥満が引き起こすさまざまな問題が改善される。
・細胞が生まれ変わり、体の不調や老化の進行が改善される。

といったさまざまな「体のリセット効果」が期待できます。


まさに、「空腹は最高のクスリ」なのです。

 

「空腹」という最高のクスリが、体の不調や病気、老化を遠ざけてくれる

もちろん、私も日ごろから、空腹の時間を作っています。
ちなみに私のタイムスケジュールは、以下の通りです。

 

【平日】
朝7時に起床し、軽めの朝食をとり(ゆで卵1つと生野菜程度)、夜21時頃、普通に夕食をとる。
その間はものを食べない。
ただし、お腹が空いて仕事に支障をきたしそうな場合は、ナッツ類を食べる。

【休日(土日のどちらか一日)】
起きた後、朝食や昼食は食べず、夕食のみ食べる。

 

このように、私は、平日は13~14時間、休日に24時間の空腹の時間を作り、体をリセットさせています。

「24時間の空腹」と聞くと、みなさんは「大変そう」と思われるかもしれませんが、たとえば前日の夜に食事をして、朝、少し遅くまで眠り、昼食を一食だけ抜けば、それだけで実行できてしまいます。

なお、私がこの食事法を始め、空腹というクスリを手に入れたのは、舌がんになったのがきっかけでした。

かつての私は、もちろん職業柄、それなりに食事の内容に気を使ってはいました。

ただ、日々の生活の中で、やはり知らず知らずのうちに「食べすぎ」「糖質の摂りすぎ」に陥っていたのでしょう。

いつの間にか、お腹に内臓脂肪がついてちょっとしたメタボリック体型となり、2010年、40歳のときに、舌がんにかかっていることがわかったのです。

がん自体は手術によって無事取り除くことができましたが、同じような生活を続けていたら、またがんを再発してしまうおそれがあります。

そこで私は、さまざまな書籍や論文を読み漁り、糖尿病をはじめとする、生活習慣病の患者さんたちの治療を通して得た経験や知識なども踏まえて、「どのような食事の仕方であれば、もっとも無理なく、ストレスなく、病気を遠ざけることができるか」を真剣に考えました。

その結果、たどりついたのが、「空腹」の力を活用する方法だったのです。

 

それまでの食生活がしみついていたため、初めのうちは空腹の時間中にナッツ類をかなり食べてしまいましたが、やがて体が慣れ、4か月後には内臓脂肪によるポッコリお腹が解消。最大で78センチだったウエストは70センチとなり、今もその状態が続いています。

さらに、体が軽くなり、疲れにくくなり、がんが再発する気配もありません。

繰り返しになりますが、空腹の時間を作るだけで、食べすぎや糖質の摂りすぎによる弊害をリセットしてくれます。

カロリー計算など、難しいこと、面倒なことを考えなくても、内臓の疲れがとれ、血糖値が下がり、脂肪が落ち、細胞が生まれ変わり、さまざまな体の不調や病気、老化を遠ざけることができます。

みなさんもぜひ、「空腹」という最高のクスリによって、病気知らず、疲れ知らず、老化知らずの体を手に入れてください。

 

次の記事「16時間の空腹が決め手!細胞を生まれ変わらせる「オートファジー」とは/空腹こそ最強のクスリ(2)」はこちら。

 

 

青木 厚(あおき・あつし)

医学博士。あおき内科 さいたま糖尿病クリニック院長。自治医科大学附属さいたま医療センター内分泌代謝科などを経て、2015年、青木内科・リハビリテーション科(2019年に現名称に)を開設。糖尿病、高血圧、高脂血症、生活習慣病が専門。糖尿病患者の治療に本書の食事術を取りいれ、インスリン離悦やクスリを使わない治療に成功するなど成果を挙げている。自身も40歳のときに舌がんを患うも完治。食事療法を実践してガンの再発を防いでいる。ライザップの医療監修ほか、「行列のできる法律相談所」(日本テレビ)などメディア出演多数。

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『「空腹」こそ最強のクスリ』

青木 厚/アスコム

最新医学のエビデンスに基づき、食事の方法を「何を食べるか」ではなく、「食べない時間(空腹の時間)を増やす」という簡単なルールだけで提唱。医学博士の著者が、自身が舌がんを患った経験から食事方法を見直し、炭水化物や甘いもの、お酒も我慢せず、ストレスなく健康になることを目指す、話題の一冊!

この記事は書籍『「空腹」こそ最強のクスリ』からの抜粋です

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