子どもが「学校に行きたくない」と言ったら親はどうするか/うつぬけ医師の子育て論

大切なお子さんが「元気がない」「いつも不安そう」「何を考えているかわからない」...親の目にそう映っているならば、必ず原因があります。精神科医でありながら7年間うつを患い、そして克服した"うつぬけ医師"宮島賢也さんによる、子供の「心の不調」を改善するためのシンプルな考え方をお伝えします。子どもをストレスに負けない人間に育てるための親の習慣、身に付けませんか?

※この記事は『心が折れない子を育てる親の習慣』(宮島賢也/KADOKAWA)からの抜粋です。

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前の記事「子どもにとって家は安全快適な場所になっているか?/うつぬけ医師の子育て論(1)」はこちら。

 

意思表示のできる親子関係ができているか

たとえば、学校でいじめなどのトラブルがあったとします。

親御さんは学校の先生や相手の親に連絡するなどして、そのときは解決したように思えても、実はまったく根本的な解決になっていないことがほとんどです。
結局また同じことが起きたり、別のトラブルが繰り返されたりするのです。

でも、こうした子どものトラブルや心の不調をきっかけに、「親子の関係」というものを見直してみるべきです。

お子さんは、あなたに意思表示をできる関係でしょうか。
たとえばお子さんは、「いじめられるから学校に行きたくない」と、あなたに言えるでしょうか。
それを言えずに我慢しているのは、お子さんが優しいからだけではありません。
「親に心配をかけちゃいけない」と子どもが思うその先に、「だって親に怒られちゃう から」「言っても仕方ない」「言ったらお母さんがもっと問い詰めてくる」などといった思いが隠れている場合があるのです。

 

親子の関係において、上下関係が厳しいと思われるケースは少なくありません。
今までクリニックで接してきたケースでは、「親に言っても仕方がないから、もう親には相談しない」と言っていたお子さんもいました。

ですから、お子さんが「学校に行きたくない」「こんなことをされて嫌だった」と自分から(親御さんが問い詰めたのではなく)言えたとしたら、まずはその意思表示を喜んであげてください。

そのうえで、学校に行きたければ行き、行かないという選択もありだと親御さんが腹をくくれるかどうかなのです。

 

解決したように見えて、何も解決していない

とくに男の子の場合、親御さんは「子どもには強くあってほしい」と心の中で願う ものです。

ですから、何か嫌なことがあったと言ってきても、励ますつもりで、「そんなの言い返しちゃいなさい!」「気にしないで学校に行きなさい」 などと言ってしまいがちです。
もちろん、それで気を取り直して学校に行き、いつもどおりの生活に戻るパターンもあるでしょう。

でも、親子関係が改善していないままだった場合、"トラブルの根っこを残しながら、克服したつもり"になっていることもよくあります。
どういうことかというと、親子の上下関係が厳しいままの状態で、子どもが親に「つらい」と言えずに我慢するパターンができあがってしまうのです。

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根本解決ができないままになっているため、同じことが繰り返されることもあります。
あるいは、大人になってから同じようなことが生じる(大人のうつなど)、またはお子さん自身に子どもが生まれたとき、その子に親御さんの子ども時代と同じことが起こったりするのです。

 

親が「許可する人」になっていないか?

では、子どもに「学校に行きたくない」と言われたとき、親はどう反応すればいいのでしょうか。

よほど冷静な親御さんでもない限り、まずは慌てますし、説得したり問い詰めたり、 パニックになってしまうこともあるでしょう。

心を決めて「行かなくてもいいよ」と言ったとしても、全身から「(でも本当は)学校に行ってほしいオーラ」が出ていたりもするものです。
それで、本当に子どもに「行かない」と言われると、親はものすごく動揺してしまう。
でも、子どもが「行かない」と意思表示をするのは、本当はすばらしいことであって、実は子どものほうが親にいろいろと教えてくれているのです。

学校に行くか行かないかを親が「許可」するのは、本当はおかしいこと。
子どもが 「学校に行く」と言おうが「行かない」と言おうが、親の反応は本来、「そうなのね」 でいいのです。
心から「行きたくないなら行かなくていいよ」と言うのは難しいかもしれません。
親御さんはなかなかそこまで腹がくくれないでしょう。

でも、そんなときこそチャンスです。
"子どもの真のサポーター"になるのです。
そのサポートの仕方も「学校は休んでもいいよ」と親が許可する形ではなく、子どもが自分で意思決定できるように導いていくサポートだといいですね。

 

明治以降の学校では、ノーと言わない軍人を育てるための教育が行われ、基本、今も同じ教育が行われています。

一方、今はフリースクールをはじめ、いろいろなタイプの学校が出てきています。
登校しなくてもいいところや、登校しても教室に行かず、図書館や保健室ですごせる学校も増えています。

また、通わずに家で学ぶホームスクールもありです。
本来、学校は「行きたいから行くところ」であるはずなのです。

 

次の記事「やる気がない子どもについイライラ...どうすればいい?/うつぬけ医師の子育て論(3)」はこちら。

 

 

宮島 賢也

YSこころのクリニック 院長。防衛医科大学校を卒業後、循環器内科研修中に1カ月の休職。家庭医に転じるも意欲が出ず、うつ病に。7年間にわたり投薬治療を受けるも改善せず、医学書以外の本を読み、試行錯誤するなかで、考え方や食生活を変えて人間関係を楽にする「メンタルセラピー」を考案。現在はうつ病のみならず、発達障害や統合失調症など、多様な精神疾患を寛解させるための支援を行うかたわら、執筆や講演などの分野でも積極的に活動している

この記事は書籍『うつぬけ精神科医が教える 心が折れない子を育てる親の習慣』からの抜粋です
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