2016年5月の誕生日で50歳を迎えた君島十和子さん。
20代で活躍されていた女優時代からの美しさは、健在! 素敵に歳を重ねておられる女性の代表として、いまでも多くの支持を受けています。
「決断」をテーマにした本書『私が決めてきたこと』から、妻として、母として、働く女性として、がんばる女性を応援する君島十和子さんのメッセージを受け取ってください。
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「一時だけのこと」とやり過ごし、自分の好きなことに注力してリラックスします。
子育て中、なんともいえない孤独感に襲われる、という人もいると思います。
私にも、そういう時期がありました。
そんなときに、同世代の子どもを持つ「ママ友」とのお付き合いは、精神的にも、育児の具体的な情報を得られるという面でも、大きな支えになります。
とはいえ、環境によってはそうした友人になかなか出逢えないこともありますし、仕事をしている母親であればなおさら、ママ友とのお付き合いが維持できないこともあるでしょう。
私の場合は、後者でした。
長女が1歳半のころから少しずつブティックの仕事に関わるようになってきましたし、次女が生まれてからは、新たにオープンしたセレクトショップ「フェリーチェ 青山」の仕事もするようになっていました。
ですから、幼稚園の送り迎えのときは毎日顔を合わせますが、ママ友とのお付き合い、すべてにご一緒させていただくわけにはいきませんでした。せっかくのお誘いに背を向けて、1人で仕事場に急ぐときは疎外感を覚え、寂しいと感じることもありました。
苦しい時期は、永遠には続かない
でも、今になって思うのは、子育て中に感じる孤独というのは、ほんの一時のことだということです。ちょっと冷たい言い方になってしまうかもしれませんが、ママ友とのお付き合いが、そのまま永遠に続くことのほうが稀だと思います。
子どもが小学校に上がり、中学生になり......と進学していくにつれて、親同士の関係性もどんどん変化していくものです。
そんななかでも、本当に気の合う方、生涯交流が続くような方との関係は、無理をしなくても自然に続いていきます。これが、「ご縁」ではないでしょうか。
ご縁がある方であれば、どんなタイミングで出逢っても、どんなに環境が変わっても、関係は続くもの。そんな貴重なご縁を得られる機会は、そうたくさんはありません。だからこそ、ご縁は貴重。今の私には、それが実感できます。
「寂しいのは今だけ、一時的なこと!」
自分にそう言い聞かせて、仕事に没頭したときもありました。それでも孤独を強く感じるときは、大好きな作家の小説を読んだり、録画していたテレビドラマを観たり、インターネットで美容に関する情報を集めたりして、独りだからこそ楽しめる時間にしようと心がけていました。
主人が帰宅すれば、主人にかいつまんで話すこともありましたが、その時間もとても大きな救いになりました。
苦しい時期はたいてい、永遠には続きません。
だったら、没頭できる何かを探しだして、自分の時間を豊かにしたい。そう気持ちを切り替えることで、ずいぶん楽になれた私です。
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君島 十和子(きみじま・とわこ)
高校在学中に「,85年JAL沖縄キャンペーンガール」に選ばれ、芸能界デビュー。1986年女性誌『JJ』のカバーガールを務め、同誌で専属モデルに。のちに舞台、テレビなどを中心に女優として活躍。結婚を機に芸能界を引退。2005年、20数年に及ぶ美容体験をもとに、化粧品ブランド「FTC(フェリーチェ トワコ コスメ)」を立ち上げ、20種類にも及ぶ製品ラインナップを開発。著書に『十和子イズム』(講談社)、『君島十和子の「食べるコスメ」』(小学館)、『十和子塾』『十和子道』(集英社)など多数。
『私が決めてきたこと』
(君島十和子/KADOKAWA)夢をあきらめたこと、大変だった子育て。すべてが「いま」につながっている―。 君島十和子さんが50歳になったいま、妻として、母として、働く女性として感じていること。「決断」をテーマにし、女性がしなやかに強く生きるための31の秘訣をまとめた1冊です。