長期投資をお勧めする理由②
再投資効果で資産を大きく増やせるから
長期投資をお勧めするもうひとつの理由は、「再投資効果」が得られるからです。
再投資効果とは、預貯金でいうところの「複利運用」のようなものです。複利運用とは、一定の運用期間中に得られた利益を投資元本に組み入れたうえで、さらに次の運用期間も運用していくというものです。この仕組みで長期間運用していくと、運用益がどんどん元本に加算されていくため、運用資金が大きく膨らみ、その分だけ利益が増えやすくなるのです。
たとえば年間の運用利回りが5%だとしましょう(なお、以降の試算において、税金などは考慮していません)。元本が100万円で、これを5%で運用できたとすると、1年目の運用益は、
100万円×5%=5万円
になります。そして、この5万円を再投資に回しますから、当初100万円だった投資元本が105万円になります。翌年は、この105万円を元本にして、年5%で運用する形になります。すると、2年目が終わった時の運用益は、
105万円×5%=5万2500円
になります。1年目が終わった時点の運用益は5万円でしたが、再投資をすることによって、2年目の運用益は5万2500円と、2500円も増えるのです。
これを長期間続けていくと、思った以上に運用資産が増えます。10年、20年、30年という期間で、それぞれ100万円を5%で再投資運用した場合の総資産額がいくらになるのかを計算してみましょう。
10年間......162万8894円
20年間......265万3297円
30年間......432万1942円
これに対して、再投資を一切せずに運用した場合の総資産額も、比較対象として計算してみましょう。
10年間......150万円
20年間......200万円
30年間......250万円
ものすごい差になると思いませんか? 再投資した場合と、しなかった場合とでは、10年間で12万8894円、20年間で65万3297円、30年間で182万1942円もの差が生じてしまうのです。
長く運用すると再投資効果はどうなるか
再投資効果は、運用期間を長期にすればするほど高まります。これは平均利回りを計算してみれば簡単に分かるでしょう。
たとえば10年間の場合、100万円が162万8894円になったのですから、運用益は62万8894円です。平均すると1年あたり6万2889円ですから、平均利回りは年6.288%になります。
これと同じように20年間、30年間で運用した時の平均利回りを計算すると、次のようになります。
20年間......年8.266%
30年間......年11.073%
再投資による複利運用効果は絶大です。そもそも年5%の利回りで運用したものが、30年間、再投資を続けて運用すると、1年あたりの平均利回りが11.073%にもなるのです。
かの天才物理学者、アインシュタイン博士は、「人類にとって最大の発明は複利だ」といったとか、いわなかったとか。
もちろん、相場環境によって変動する可能性がありますが、資産を大きく増やすために、長期投資と再投資の組み合わせは、強力な武器になるのです。