女性に生まれていたら「パパ活女子」になっていた
こういった苦境は、男女問わず訪れる。だが、そこで対処法は変わってくる。
「自分がもし女性だったら、すぐ風俗嬢になっていただろうなと思います。パパ活もやるでしょうね。犯罪ではないまでも、あまり褒められたものではない副業も実際やってきましたし、生きるためなので手段を選んでいられません」
こうして見ていくと、関口さんの人生はすべてが綱渡りだ。もしカードローンの借金を低利で貸し替えてくれた友人がいなかったら。もしがん保険に入っていなかったら。もし、関口さん自身が借金を返していこうと思うバイタリティや、体力の持ち主でなかったら。関口さんはインタビューに応じることすら不可能な場所へ、追いやられていたかもしれない。
「よく、女性が『男らしさから降りていい』って言うじゃないですか。あれって、意味ないよなって思うんですよね。降りても生きていく道がないじゃないですか。そうやって、ただの弱者になった男性と暮らせる女性って、いないと思うんですよ。僕も元恋人との交際は破綻したわけですし。女性が稼ぐようになっても、いまだに下方婚する人は少ないですよね。マインドの話だから、女性に変われと言って変わるものでもない。安全圏から言うのは簡単ですけれども、こういう事実がある限り、自分で強くなって、逆境をはねのけるしかないんです」
男性たるもの、一家の大黒柱になるだけの稼ぎを持つべきだ。男性たるもの、苦難に襲われても自分で何とかすべき。こういった言葉を聞くと「昭和かよ」と笑いたくなる気持ちはわかる。だが、現在の男性は実際のところ、昭和とそう変わらない環境に置かれているのではないか。
「男だって弱音を吐いていい、泣いていい」と言われたところで、その声に耳を傾けてくれる人は少ない。最終的には自助努力で何とかしろと言われるのならば、最初から弱みを見せることに意味はあるのだろうか。そんな疑問を、すべての男性は抱かざるを得ないはずだ。