【本作を第1回から読む】 タピオカ屋はどこに行ったのか。3回目の「タピオカブーム」が前回までと異なっていた点
『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』 (菅原由一 /KADOKAWA)第6回【全9回】
街中にあふれていたタピオカ屋が、いつの間にか減っていた...みなさんは、その理由を説明できますか? 想像はできても、説明するとなると難しいかもしれません。SMG税理士事務所代表税理士・菅原由一氏著の『タピオカ屋はどこへいったのか?』は、「場末のスナックの稼ぎ方」や「携帯電話の契約が分かりづらいワケ」など、さまざまな「なぜ」をビジネスの視点から分析しています。日常にあふれるちょっとした疑問を題材に、ビジネスの思考回路を磨きましょう。
※本記事は菅原由一 著の書籍『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。
携帯電話の契約はなぜ分かりづらく手間がかかるのか?
変える労力を避けたい
シェアを増やしたい場合も、シェアを奪われないようにしたい場合も、共通して重要なのがスイッチングコストです。スイッチングコストは、何かを変える(スイッチする)ための労力や、その労力をかけたくないと思う心理のことです。
携帯電話はスイッチングコストが発生する一例です。携帯電話市場は、かつては大手3社が需要を囲い込み、ユーザーが固定化されていました。しかし、使用中の番号を使い続けられるナンバーポータビリティ制度ができ、大手間での移動がしやすくなりました。また、大手キャリアのサブブランドを含む格安スマホの提供も始まり、従来のような3社寡占の状況に変化が起きました。
結果として携帯料金の平均額は下がり始めたわけですが、一方には、高額な携帯代を払い続けている人もいます。契約者数を見ても、トップ3は依然として大手で、格安スマホユーザーの割合は2割前後にとどまっています。