年収1000万円超でも、親族のせいで「弱者男性」に――高額療養費制度の「落とし穴」

『弱者男性1500万人時代』 (トイアンナ/扶桑社 )第2回【全5回】

「弱者男性」という言葉を知っていますか? いまや日本人の8人に1人が該当するというこの言葉は、インターネットの世界から生まれた「独身・貧困・障害」などの「弱者になる要素」を備えた男性のことを指します。 弱者男性は偏見にさらされることが多いうえに、弱者男性から抜け出すことも困難と言われています。弱者男性を取り巻く環境の「リアル」とはどのようなものなのか? ライター・経営者のトイアンナ氏の著作『弱者男性1500万人時代』から、その実態を見ていきましょう。

※本記事はトイアンナ著の書籍『弱者男性1500万人時代』(扶桑社)から一部抜粋・編集しました。


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※写真はイメージです(画像提供:ピクスタ)

日本には高額療養費制度があり、月に一定以上の医療費がかかっても、健康保険で負担してもらえる。ところが、この限度額は年収で変わる。年収1000万円を超えていた関口さんは、約25万円まで自己負担の上限額が上がっていた。しかし、手取りを借金返済に充ててきた関口さんには、貯金がほとんどない。

ギリギリのところで関口さんを救ったのは、家系的に自分もいずれがんになるだろうと、少ない手元資金から払い続けていたがん保険だった。もし保険がなかったら、年収1000万円を超えながら、仕事を休んでカードローンでお金を工面する多重債務者に逆戻りする可能性もあった。不幸中の幸いだったと、関口さんは語る。

 

トイアンナ
ライター・経営者。慶應義塾大学を卒業後、P&G ジャパンとLVMHグループにてマーケティングを担当。同時期にブログが最大月50 万PVを記録し、2015 年に独立。主にキャリアや恋愛について執筆。書籍『就職活動が面白いほどうまくいく 確実内定』(KADOKAWA)、『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門』(イースト・プレス)、『ハピネスエンディング株式会社』(小学館)など。これまで5000 人以上の悩み相談を聞き、弱者男性に関しても記事を寄稿。

※本記事はトイアンナ著の書籍『弱者男性1500万人時代』(扶桑社)から一部抜粋・編集しました。

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